「うーん、どうなんだろう…。少なくともG指定でいいのかなぁ。」バニシング 未解決事件 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
うーん、どうなんだろう…。少なくともG指定でいいのかなぁ。
今年136本目(合計410本目/今月(2022年5月度)13本目)。
この映画、珍しくも韓国とフランスの合作という作品ですが、元はといえばPROレビューアの方が書かれているように、「中国」とするべきものが諸般の事情(要は、当局の検閲)で無理だったので、文化圏的に近い韓国に移したものであるようです(この点は海外のこのような評価サイトでも言及されている)。
このため、韓国のソウルが舞台であるものの、韓国文化は大半求められないし(実際、韓国料理を食べていたり、韓国文化を想定できるようなシーンが何もないし、ソウルでも釜山でも何でも関係がなくなってしまう)、そうした「場所の入れ替え」の上に、原作(小説)ありの映画のストーリーを載せたため、「韓国映画なのに、韓国人は大半出ない」(出ることはでますが、原作小説を今度は考慮したのか、なぜかしら韓国映画なのに中国の方が被害者だったりという妙な展開で、韓国はただ単に「撮影場所を借りた」という妙な立ち位置)というわかりにくいところを抱えます(無理やり中国から韓国に舞台を差し替えたのか、来韓(韓国に来ること)した経緯が正直謎であったり)。
さらに妙というよりも、こっちは日本側の問題だと思うのですが、この映画、よくG指定(一般指定)で通ったなぁ…という印象です。映倫の基準が謎です…。正直、R15程度にされても文句は言えないだろうというところです。シネマート系列(心斎橋は、ごく小さいコンセッションしかない)のみならず他の映画館でも放映されていますが、ポテトだチキンだ食べるのはちょっときついです(特に食べるほう。他の方も言及されているので、まぁ察してください…)。
こういった「謎のコンバート(変換)」を経て作られた上に、こうしたコンバートに無理があったのか、言いたいこと自体は理解できるのですが、謎の終わり方をする(何がどうなっているかわかりにくい…)あたりが謎です。
なお、結構特殊な話題を扱っている割には「この作品はフィクションです」程度は出ても、それ以上のこと(この映画の場合、医学倫理的なこと)は出てこず。まぁ、素人がそうしたことに手を出すこと自体が想定しづらいのも確かですが…。
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(減点0.8/配慮不足)
・ 結局のところ、この映画はPROレビューアの方も触れられているように「公開にあたった経緯」や「韓国が舞台である理由」が特異なので、その点を把握しないとよくわからない謎の展開とかしてしまいます(よって「韓国」だの「中国」だのという話は、この映画では固有名詞程度に見たほうがマシになってしまう)。
また、元のタイトル vanishing (→動詞形 vanish)や、映画内で頻繁に出る forensic という語は意味を把握しておいた方が良いです(ただでさえわかりづらいのに、さらに混乱させてしまう)。ネタバレになるので訳語は載せないことにします。
(減点なし/軽微事項/参考)
・ この映画、こういう事情もあって、韓国語、フランス語、中国語、英語と4言語も出る結構珍しい映画です。
コミュニケーションの中の「もしあなた(の都合)が良かったら…」の部分。 If you can .... でも通りますが、If you could .. のほうが一般的です(条件法/語気緩和用法)。
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