「夢の「スィート・マイホーム」の実像」スイート・マイホーム 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
夢の「スィート・マイホーム」の実像
ミステリー風のホラー映画でした。
斎藤工が齊藤工・名義で監督した作品です。
名優は監督の腕も冴えています。
寒い長野県に住むスポーツジム・インストラクターの
清沢賢ニ(窪田正孝)。
それまでは隙間風の入る寒い家から、
念願の暖かい現代的家を購入。
半地下に設置された一台のエアコンで全部屋を暖め、
居間のモニターでは各部屋や庭の映像が確認出来る、
スマホの遠隔操作も可能な、
夢のように作りの「スマートホーム」
HAホームで対応した本田(奈緒)は一級建築士だと言うことで、
設計もお願いして、翌年妻ひとみ(蓮佛美沙子)と4歳の娘サチと、
すぐ生まれた次女・ユキと家族3人、夢のような毎日が始まった。
寒冷地エアコン(?)が地下に設置されていて、ブーンブーン
うるさい。
賢ニが苦情を言いにHAホームに行くと、
本田に契約を奪われた甘利(松角洋平)の
対応がいちいち気に触る。
首元をつかみ詰め寄る賢ニ。
私はてっきり「家に魔物系」の事故物件みたいな映画かなぁ、
と思ったけれど怖いのは《家》だけでなくて
《人》も!!
家に幸せを求める建築士の本田の過去。
実はマイホームに入居直前に夫を交通事故で亡くし、
更にお腹の子を流産。
そんな果たせなかった幸せを清沢家に重ねたのですが・・・。
不穏な音響に窪田正孝の顔が真横になるカメラアングル、
色味も黒に赤みがかったりホラーテイストが
散りばめられています。
清沢は妻に隠れて3年間も不倫。とか、
不倫相手(里々佳)に脅迫の動画・・・とか、
(里々佳のマンションのドアを開ける清沢の姿)
清沢家を覗き見してた甘利が不審死。
遊びに来ていた妻ひとみの友達と男の子は、怯えて慌てて帰る。
ひとみは「家に何か居る」と口走る。
賢ニが実家に帰ると、兄の窪塚洋介が、
押し入れで引き篭もり生活をしていて、
ここでも「何か」が居ついてる様子・・・
と、伏線がやたらと多い。
ひとみは精神不調になりベッドに眠る次女のつぶらな瞳を
「この子の瞳に何か恐ろしいものが写って居る」
と完全に変!!
そして不倫相手の里々佳が不審死。
刑事(中島歩)が頻繁に現れて窪田正孝を疑い、アリバイを聞く展開。
てっきり窪田が殺人犯か?
挙動不審だし不倫相手は死ぬし、怪しい・・・と思ったが、
実は《白い椿》を庭に植えてた女・奈緒の怨念!!
白い椿の木の花言葉は「理想の愛」だった。
と言う展開。
ミステリーというより「ホラー」
なかなかジワジワと恐怖が込み上げてきました。
窪田の兄役の窪塚洋介が黒ずくめの服装に前髪で殆ど顔を隠して、
実家の仏壇の前でうずくまり押し入れに顔を突っ込み、
凄くヤバい雰囲気で、何か?隠してる?
でも殺されちゃうんですね。
ここでも実は窪塚と窪田兄弟の父親の死の真相とか
隠されていて・・・
彼(窪塚洋介)を殺したのは誰??
妻の蓮佛美沙子でしょうかね?
完全にいっちゃってでて、何が怖いって、
次女を○○しちゃうシーン!!
それともうひとつ、奈緒はどこへ?
これも彼女?!
それにしても女性の怨念と妄想は怖いとつくづく身に染みた。
(今ひとつ腑に落ちないので、原作を読みたいと思いました)