「バグを乱用した原作RTA」鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成 usさんの映画レビュー(感想・評価)
バグを乱用した原作RTA
初めてレビューを書くので駄文なのは許してください。
原作漫画とアニメ視聴済み、実写1から3全て映画館で見ました。
まず結論から言うと『薄っす.....』です。
本作は1をも凌駕する原作RTAとなっており、原作のイベントをありえないスピードで消火していきます。1が2倍速ハガレンだとすると、3は4倍速ハガレンです。
RTAなら完璧ですがこれは映画です。再走してください。
前述した通り有り得ないスピードで流れるため、キャラの心理描写もスキップしながら物語が進んでいきます。
例を出すならグリード。
原作では、敵→過去を思い出して裏切り→主人公と徐々に心を通わす→本当に欲しかったのは仲間 という流れがあるのですが、
「過去を思い出す」と「徐々に心...」のシーンをスキップしているため、最初は仲間じゃなかったグリードが10分後に仲間化しており、挙句の果てには最後「俺が本当に欲しかったのは仲間だったのかもな!!!!!ハハハ!!!!」と言い残します。
えぇ、、、信念を曲げないかっこいいグリードが情緒不安定の人になってる、、、
というかグリード関連はこの映画でも目立って酷いです。
・最後に嘘を付かない
・無策でお父様に突っ込み「やっべw」するマヌケ具合
・”一応は”仲間を知ったグリードの死に悲しまないエド達
とほかにも沢山ありますが、グリードの良さが完全に消えています。
というかこの映画、圧倒的に尺不足なんですよね。
なので心理描写どころか名シーンまるまるカットです。
2を見終わったときは「キメラいないからぶちかましてやれアルフォンスだけは無理そうだなぁ」と思っていたのですが、まさか全てが無かったとは思ってもいませんでした。
・心理の扉を無理矢理こじ開けるエド
・使えよ賢者の石を
・トリシャの伝言を聞いて泣くホーエンハイム
・力が欲しい貸してくれ
・私が選んだ女だ
・ヒューズの妻に変身して燃やされるエンヴィー
・怨嗟の声に耐えるキンブリー
・死にたくないって思っちゃうホーエンハイム
これらがありません。というかキンブリーに関しては回想だけいて本編いません。なんだお前。
尺の都合上しょうがない部分はあっても扉のシーンとか使えよ賢者の石とかはあと五秒あったらできたでしょ。
取捨選択が絶望的に出来てないせいで、心理描写がなく薄いキャラからさらに「魅力」まで取ったせいで全部が極薄です。カレーからルーだけ入れて具材取ったみたいになってます。
血の門は既に刻まれていたって設定にして、行って帰ってきただけ(笑)のブリックズをスキップしてキャラの魅力上げをしてくれた方がまだ良かったです。
まぁ「眼帯をとってないのに最強の目がわかるバッカニア」「ブリックス兵に撃たれず自分で手を離すまぬけブラッドレイ」「スカー兄の回想もないせいで意味が分からないまだかスカー」「弱すぎるグラトニー」「弱すぎるエンヴィー」「弱すぎるスロウス」「弱すぎるプライド」
と上げだしたらキリがないので終わらせたいと思います。
2時間半天井のシミ数えてた方がマシと思える映画でした。映画代でどれだけすき家のカレーが食えたかと思うと涙が止まりません。
怖いもの見たさで見たい人やお金をどぶ以下に捨てたい人にオススメの作品です。