「本作は善人が少ない」シャイロックの子供たち uzさんの映画レビュー(感想・評価)
本作は善人が少ない
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滝野はいい人風に描かれているが、正直欲を搔いたことによる自業自得。
半田はタダの嫌なヤツなうえに後半出番なし。
黒田は実質的な損害は出していないし、最後は改心したが、償ってはいない。
西木や沢崎も、本人が言っていたように完全に詐欺であり、銀行は更なる損害を受けることになる。
石本や九条だけが悪ではないのです。
悪事を働かない北川は疑われたままだし、遠藤は精神を病むし、田端はお祈りメールを貰う。
真っ当な人間がことごとく報われない展開は、あまり好みではなかった。
また、話の展開も雑な部分が多く、特に滝野の行動は有り得ない。
落とした音で注目が集まっているだろう時に周囲の確認もせず金を盗み、即座に大問題になるのは目に見えてるのに行内のゴミ箱に用紙を捨てる。
最後の西木の辞職は、“真っ当な銀行マン”でなくなったからなのか、滝野の二の舞を避けるためか。
それとも大金を手にしたから“あんな所”いられるか、ということなのか。
想像に委ねるのもよいが、想像するには西木のキャラクターが掴みづらいのが難点。
クライマックスの決済もあっさり通ってしまうし、細部が気になる割に盛り上がりに欠けた印象でした。
『スクロール』でパワハラしてた忍成修吾がパワハラを受けるという偶然の一致は面白かった。
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