劇場公開日 2023年2月17日

「見たかった池井戸潤映画、ここにあり!」シャイロックの子供たち サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0見たかった池井戸潤映画、ここにあり!

2023年2月17日
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鑑賞方法:映画館

笑える

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興奮

いやぁ、最高だこりゃ!
名優たちのアンサンブル、重厚感があり痛快なストーリー、ワクワクする展開、池井戸潤ファンにとってはたまらない作品です!昨年公開された、「アキラとあきら」も良かったけど、私はやっぱりこういう闇に包まれた銀行物語の方が好き!

阿部サダヲ、佐々木蔵之介、佐藤隆太、橋爪功、柳葉敏郎などなど、こんな強メンツなら間違いないっしょ!と見る前から勝ちを革新していたのですが、やはりそうでした。どんどん変貌していくキャラたちを見るのが、まぁ面白いこと。橋爪功、柳葉敏郎、そして「半沢直樹2」が記憶に新しい柄本明の邦画界重役の御三方は、やはり素晴らしいものを観客に見せてくれますし、そんな3人に囲まれながらも、阿部サダヲと佐々木蔵之介は負けじと圧巻させる演技を披露してくれています。

杉本哲太に関しては、「アキラとあきら」からのこの役という大躍進(?)に笑えてしまいますし、つい、花!と言いたくなっちゃう上戸彩に至っては、本作1番のハマり役のように思えました。玉森裕太の演技力の高さにも驚かされ、本作は役者の活躍を見るだけでも十二分に価値があるかと思います。しかしながら、「アキラとあきら」よりもキャラが多いために、掘り下げが足りておらず、そこはもっと長くていいからしっかり描いて欲しかったなとは思っちゃいました。

ストーリーは、The・池井戸潤。
ファンにはたまらない、見応えたっぷりの銀行ヒューマンドラマです。池井戸潤原作、原点にして最高傑作!と予告で謳うだけあって、めちゃくちゃ面白いです。それぞれの出来事が最終的に1つに集約し、大事件へと発展していく様を見事に描いており、笑いあり、緊張感ありの、これぞ池井戸映画だ!と胸を張って言える作品に仕上がっています。

最高に痛快ですし、「これだ、これが見たかったんだ!」と思わず手を打ちたくなる、非常に秀逸な脚本ですが、ラストは少し不満も。なんでそこを描かなかったんだ?という疑問が残ったまま、幕を閉じてしまい、池井戸潤の醍醐味が薄れているような気がしてしまいました。しかしながら、エレファントカシマシの主題歌は、何だか作風にあっており、後味はスッキリ。あと一歩!ってところですが、星4.5に近い星4.0って感じです。すごく良かった。

ファンは必見の良作かと。
目が離せず、瞬きをするのも惜しい2時間強。最高の週末をスタートさせてくれました。こういう、重厚感のある日本映画がもっと見たいんだけどなぁ...。ぜひ、劇場で!

サプライズ