「底冷えのするような怖さを描いているが、さらなる先を見たくなる。」教育と愛国 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
底冷えのするような怖さを描いているが、さらなる先を見たくなる。
一定の政治勢力とその同調者たちが、いかに教育の右傾化を推し進めて現場を圧迫しているかをレポートするドキュメンタリーで、観る側にどれだけの知識があるかにもよるだろうが、こういう形でまとめられるとやはり改めてゾッとする。
ただ、一本のドキュメンタリー映画作品としては、表現としてもっとできることがあるのではないか、という気はした。もともとがテレビ局の取材素材をまとめたものとはいえ、映像は戦うための武器になり得るのではないか。取材対象も、まだまだ本丸にまで斬り込めていないという印象はある。ニュース番組の特集としては興味深いのだが、映画の可能性を拓くことを期待してしまうので、いささか物足りなさはある。
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