「売れるんだから、いくらでも擦りますよ!」貞子DX サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
売れるんだから、いくらでも擦りますよ!
「妖怪シェアハウス」を見て以来、大大大好きになってしまった小芝風花。そんな彼女の主演作。公開日に見ない以外の選択肢がありません。作品自体の期待値は貞子ということもあってかなり低いですが、小芝風花目当てにということで鑑賞。クッソおもんねぇわ!って言うつもりだったんですが、意外と悪くなく、嫌いじゃないタイプのホラーでした。
とりあえず、小芝風花はめちゃくちゃ可愛い。
色んな衣装があって、どれもお似合い。この可愛げのない役もハマっていまし、「妖怪シェアハウス」の時からは考えられないくらい、頭の良いキャラを好演していました。いい表情をするものです。これからも映画に出演してほしいな。
呪いのビデオを見たものは、24時間以内に白い服を着た長髪の女性に追いかけられて死に至る、貞子ウィルスに感染してしまうというストーリー。肝心のビデオの視聴方法はまさかのビデオデッキ。しかし、貞子ウィルスはSNSを通しての流行へと進化しようとしている。いや、面白い笑 設定がしっかりしているから、そこそこ満足できるわけだ。「それがいる森」とは大違い。脚本がとてもよく出来てました。
貞子=飽きられたC級ホラーっていうイメージだったのだけど、この新鮮さが気持ちよく、個人的にはとても楽しめた。貞子を使って驚かせることは難しいから、ストーリーで勝負しよう!と思い切った判断をした制作陣には拍手。致し方ないことなのかもしれないけれど、やっぱり怖さはほとんど無く、一切びっくりしないんだけど、終始雰囲気は良くて、安っぽい作品になっていない。
似ている作品としては事故物件みたいな感じ。
ホラー×コメディ的な。でも、本作はあの作品より全然真剣に取り組んでいるし、まとまりもいい。ちょっと上滑りしている部分もあるけれど、コメディとしてもまぁまぁいい。キャッチーな決めポーズは、作品が印象に残る素晴らしい考え!そして、確実にこの映画が上回っている部分がラスト。あの終わり方、もうちょいさりげなくやって欲しかった感はあるけれど、個人的にはなんか好き笑 上手い作り方!
感染とか繰り返されるとかネットの民度とか、今の世の中に対しての風刺のような中身であり、部屋から1歩踏み出してみようというセリフが上記の事柄の答えのように提示されていて、さりげなーく裏テーマを持たせているのが面白かった。テンポもいいし、小芝風花と川村壱馬のすれ違いコントみたいなのも笑えて、ホラー以外の部分で結構見応えを感じました。
ただ、想像通り物足りなさは感じてしまうし、なにより予告やポスターで謳っていた呪いの方程式が科学的に証明されなかったのが残念。もうちょい踏み込んで描けていたら、★4.0は有意に超えたと思う。どうであれ、カラダ探しには負けてしまうけれど、全然違和感なく楽しめる、木村ひさし監督らしい、そこそこ面白いホラーです。ハードルを下げてご覧下さい。
〜追記〜
貞子〈DX〉は、貞子は進化しようとしているということを掛けてタイトルにしたのかもしれないけど、これだと変に期待値上げてしまうよ。貞子Xくらいでちょうど良かったんじゃない?笑