「もしかして集金ドキュメンタリーなのかな?」ゴースト・フリート 知られざるシーフード産業の闇 バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
もしかして集金ドキュメンタリーなのかな?
ドキュメントなのに、全部のカットがカッコよくて、意味深な情緒感ある映像で、そして嘘みたいにドラマティックな展開だから、創作物語・・・または再現ドラマ?って思っちゃうほど。しかし、全部真実。パティマさんの活動は地道で危険で体力勝負。その活動の成果の一つをカメラに収め作品としてまとめ上映されたことには大きな意義を感じます。
だけど、そこに大いなる違和感があるんです。
本作は決して巨悪を突き詰める、悪の原因を明らかにする・・・という作品ではないです。こういうことが発生しています。悪い人と思えるのはこんな方々かなぁ〜?程度です。知られざるシーフード産業の闇と謳っていますが、明らかにする作品ではありません。
あくまで、非人道的に雇われた人を助けるために奔走するパティマさんのPVドキュメンタリーみたいです。なんか某国営放送の「プロフェッショなんとか」みたいなテイスト。
本当に知りたいところ、明らかにして欲しかったところが非常に少ないんですよね。そこが期待外れだったなぁ。ですから、本作は社会派ドキュメンタリーかと思いきや、パティマさん密着ドキュメントって感じでした。ですから、エンドロールの後に人道支援団体の寄付願いのクレジットが出てもおかしくない感じでしたねー。
映像作品としてはとてもよかったですが、このテーマを語るドキュメンタリーとしては深みもパンチ力も足りなかったかなぁ?本丸が結局分からずじまいなんだもん。
昨年鑑賞した「ボヤンシー まなざしの向こうに」の方がフィクションだけどパンチ力あったなぁ。
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