「君はバカだね」まなみ100% ゆみなさんの映画レビュー(感想・評価)
君はバカだね
『まなみ100%』って言いつつ100%じゃなかったな…それでも心の中にはずっと居た?
ストーリーもこれと言ってなくて、高校生の時に器械体操部で出会ったまなみちゃんに恋をして彼女が結婚するまでずっと好きだったボク(青木柚)のお話。ここだけ見れば一途な男の子の話みたいに思えるけど、ボクは適当にかわいいと思った子と付き合って、付き合わずともやる事やって、顔のいい先輩ともあわよくばキスしようとしたりする結構なクズなんです。そんな感じなのに要所要所でまなみちゃんに求婚しては断られる。当たり前なんだけどまなみちゃんはボクの気持ちを信じていない。逆にめんどくさい奴かな…って思ったり。
とにかく主人公がアホなんですよ。高校時代もアルバイトしても大学生になっても好きなことだけやってるタイプで一向に成長しない。社会人になったまなみちゃんと会っても彼女はしっかり大人になってるのにボクはずっと止まったままに見える。それでも求婚できちゃう図太さはすごい。
ただボクをなんだか憎めないって感じる女の子の気持ちもわかる。わかりやすく好意を示してくるし悪いことしたらとりあえず髪切って謝ったりする。入院している先輩には物凄く優しくて、まなみちゃんの事を好きな気持ちは変わらない。なんだか女にだらしなくてクズなのに可愛げがあるんだよな。青木柚くんが演じているからかも。
結局ラストまでまなみちゃんとは一線を超えずに、ずっと好きだっただけの関係で終わる。まなみちゃんの『君はバカだね』がなんだか心に残っちゃって。あの言葉にはちょっとだけ期待を込めた愛があって、それに気付けなかったボクは本当にバカだよなって。
まなみちゃんは結婚してボクのことを忘れていく。ボクの心からはまなみちゃんはずっと消えなそう。それって切ないように思えて実はすごく幸せなのかもね。そっか、だから『まなみ100%』なのかもね。
