「「まなみちゃん結婚しよ。」「じゃあ猿語で言って。」」まなみ100% 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
「まなみちゃん結婚しよ。」「じゃあ猿語で言って。」
共感が深すぎるのに言葉が見つからない。お前はこんなチャラい高校生だったのかと問われれば、そこじゃないと返すけど。
青木柚(最近いい味出している)は変態バカではない。まあまあ成績のいいのは、浪人して第2志望とはいえ、中央大に受かっている。部活だって意欲はある。だから顧問にも可愛がられている。(あんな生徒は先生にとっては可愛いはずだ。)そんな彼にとって、まなみちゃんはいつまでもまなみちゃん。おばあちゃんになっても、素敵なフィルター越しに、まなみちゃんはまなみちゃんで居続けるはずだ。まなみちゃんという個人個体のなかに、いつまでも高校時代の自分がいる。時たま会えて彼女とする会話は、その確認作業でもある。それを、押見修造的妄想で気持ち悪いと言われても、そうなのだからしょうがない。僕にだっているし、いまでもさつきちゃんはさつきちゃんなのだもの。
そして伊藤万理華がいい。「言いたいことは言えるうちにおかないと後悔するよ。」のシーンが良すぎる。二人はただの先輩後輩の関係で、この後もただの先輩後輩の関係のままなんだろうけど、この言葉のあとの二人の行動は、恋愛を伴う愛情からではなくて、同じ大事な時間を過ごした仲間としての行動な気がした。
「ちょっと思い出しただけ」や「ボクたちはみんな大人になれなかった」、「少女は卒業しない」あたりが好きな人にはこの映画刺さるんじゃないかな。
そして合唱シーン。♪僕らの願いを誰かが別れと呼んだ~の歌詞の破壊力。忘れていた甘酸っぱい青春を思い出す、最高の記憶回復装置だわ。さつきちゃん、元気かな。
失礼します
ご丁寧且つ心尽くしに溢れた返信、畏れ入ります 又、返信をお書き頂いた貴殿の貴重なお時間を頂戴してしまった事、お詫び申し上げます
青春の時期を衒いもなく描く そこに極上の劇伴が重なる事で映像が華やぐ 中々の手練れだと監督を評価したいです(ちなみに冒頭後に三人が坂を下る最中、突然怒鳴り込んだ爺さんは脚本家です(笑))
御薦めのコンテンツ拝見しました
大変興味深く且つ心を豊かにしていただきありがとうございます
*この先はまったくのおせっかいなので、スルーで結構です。
(なお下にYouTubeの動画のURLを貼り付けようと思ったのですが、ここでは貼り付け禁止のようですので、興味がありましたらば、→のあとの文言をYouTubeでコピペしていただけると、その動画に飛べると思います。お手数ですが。
子どもたちの合唱コンクール課題曲が当世の人気歌手によるものになった頃の代表曲と言えばこれですね。
→アンジェラ・アキ「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」MV 映画
そして、TBSアナの安住氏の熱いラジオトークは、彼の番組のベストの一つとして語り継がれています。
→安住紳一郎の日曜天国「合唱」(フリートークVol 15
>いぱねまさん。
コメントありがとうございます。長文、大歓迎ではあるのですが、あまり他ユーザーさんたちとの交流は積極的ではないのでご勘弁ください。(理由→仲の良くなった方が好きな映画が、自分が受け入れられない映画であったときにとても嫌な気分になってしまうからです)
褒められて自分で読み返してみて、あまり気合を入れずに書き流したことが気恥ずかしい思いです。
押見修三。「志乃ちゃん~」いいですよね。漫画も読みました。青春の思い出は、後悔と憧れでできていると思ってます。どちらもネガティブな感情のようでいて、その感情が大きければ大きいほど、大人になってからの懐の深さにつながっていると思うのです。それを心の器というか。世間で言う、あの人は器がデカい、はこれだと思うのです。そういう人は、後悔(≒失敗)が多いから、他人に優しいのだと思うのです。
押見修三の話に戻しますが、この映画、妄想がすぎて独りよがりになれば「ぼくは真理のなか」になるでしょうし、ボク(青木柚)から明るさを奪ってしまったら「惡の華」的ないたたまれなさに胸が苦しくなってしまったのでしょうね。そんなキャラ付けやセリフが絶妙でした。多分まなみちゃんは、魅力的すぎないからいいのだと思うのです。ボクが背伸びすれば届きそうだからちょうどいいのです。でも、下ではない。そしてまなみちゃんを一生の憧れにしておくには、ラブホでセックスしてはいけないんです。一時の快楽と引き換えに、一生まなみちゃんを手放してしまうのです。それを分かっているまなみちゃんのあのセリフ、若いころの性欲旺盛だった自分に聞かせてあげたいです。聞く耳持たないでしょうが。
この映画が良かったと思えた自分は、当然、青春の後悔があふれていますが、その後悔をしっかりと貯め込める器を持ちたいと心がけながらこの先も生きていきたいものです。
いぱねまさんの長文に甘えて、こちらも遠慮なく長文でお返ししてしまうことをお許しください。共感いただいたお礼だとわかってもらえて読み流していただければ幸いです。
失礼します
ご感想、大変胸に染みました 僭越ながら私が表現出来なかった文章を一言一句違わずに言い表していて、わざわざ自分が書かなくてもこうしてシンクロしてくれる方がいらっしゃるのだから私の拙文は削除しても良い程の美文でした
主人公は別にクズではなく(監督がモデルだからその辺りが自己顕示が過ぎているが〈苦笑)、正直で明るくて少し抜けていていわゆる『人たらし』なんでしょうね だから放っておけない女性が何かと助けてくれる だから作品中は目移りしてても二股を掛ける狡さは無い そんな人たらしでも、ヒロインはあくまで恋愛とは別の関係性を主人公に求め続けたのでしょうね ラブホに行っても、この関係をここで終わらせるならば抱かれることを拒否しないという決意は、主人公に"活"を入れている、そんな感じだと思いました いつまでも自分にとって"ミューズ"であって欲しいと願う主人公の思想は、理解出来る人が少ないんじゃないかと・・・知らんけどw
私は今作の合唱曲は世代じゃなく、そもそも私の世代では考えられない程ポップでエモーショナルな曲調でしたが、NHK音楽コンクール課題曲(その時代のミュージシャンが書き下ろす合唱曲)なんですね 車内シーンでの劇判主題の曲も合唱っぽい感じでしたので、余程監督の青春には"合唱"がBGMとして流れているのではと、羨ましかったりしました 私は最近毎日聴いております(苦笑
『押見修造的妄想』の文言で、そういえば『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』を観たことを思い出しました だから私は今作にシンパシーと思い入れを持ったのだと気付かしてくれた貴殿のレビュー、大変感謝します
自分勝手に乱文を送ってしまい、ご迷惑お詫び申し上げます