「《映画界の人事部》で働く人達にスポットを当てた作品」キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性 BONNAさんの映画レビュー(感想・評価)
《映画界の人事部》で働く人達にスポットを当てた作品
数ある俳優の中から最適な人材を選び、監督に提案するという所謂《映画界の人事部》とも言うべき仕事を行う人々。なおキャスティングディレクターという名前は監督組合からNGを食らっているらしく、エンドロールに出てくる時も『キャスティング』という呼称に留まっている様子。ただ、彼らが見出した才能はアル・パチーノやデニーロ、トラボルタ等スターばかり。一緒に仕事をした監督についても、スコセッシやウディ・アレン(残念ながら彼に関しては昨今醜聞ばかり耳にしますが…)など錚々たるメンバーばかり。
何故、彼らに脚光が当たることがないのか。
何故、彼らの仕事が知る人ぞ知る状況に留まっているのか。
いろいろと考えさせられました。
今年ベストに入る作品。
映画業界自体の変遷も見られるので、そっか、ハリウッドの映画がつまらなくなったのはこの辺からかとか、2000年代になっても肌の色の違いが取り沙汰されていたのかとか、いろいろ勉強にもなる。
最近の映画ではどうやってキャストさんを決めているんだろう?出てきた映画も俳優さんも2010年以降の話はほとんど出なかったため、そのあたりが気になった。
公開が遅れたのは、観客が入らないからです。私達みたいな根っからの映画好きしかみないと思います。
DVD化もされないし、公開上映時に観るしかない。見逃したら終わりです。でも、記録として残しておけば、国立フィルムライブラリーに収容されるかもしれません。
この映画が製作されたのが、2011年だから仕方がないと思います。クリント・イーストウッドの現在は、もっと皺くちゃになっています。でも、役者を引退していないのが凄い。
仲代達矢もまだ現役。彼は舞台がメインになっています。もう、伝説の人だから舞台を一度鑑賞して観ようかな。