ジェイコブと海の怪物のレビュー・感想・評価
全3件を表示
アバターのテーマと同じだと思う。
『彼らはヒーローだ。だが、ヒーローも間違える』
アバターのテーマと同じだと思う。
これでは大英帝国の威信が地に落ちるわけだが、今までの歴史も『少しは懐疑的であっても良い』と見るべきだと学習できる。
黒人の女性が世界の概念を変えていく。実に格好いい。
ドラコンものとして、日本には『空挺ドラゴンズ』と言うアニメがあったが、それとは全く逆のイデオロギーではあったが、どちらも今の所、僕にとっては傑作の部類だ。
言うまでもないことだが、ロシアとウクライナの権力者、そして、西側諸国(?)の権力者には見てもらいたい。また、仮想敵国と言う言葉も理解してもらいたい。この映画もプロパガンダになるかもしれないが、プロパガンダは恐ろしい歴史も作る事を学ぶべきだ。
争いはどう勝つかじゃない。どう終わらせるか
ハリウッドのアニメーション会社と言えば、ディズニー/ピクサー、ドリームワークス・アニメーション、イルミネーション・スタジオが3大柱だが、最近無視出来ぬ存在となってきているのが、Netflix。
『クロース』『フェイフェイと月の冒険』『ミッチェル家とマシンの反乱』などを製作/提供し、オスカーにもノミネート。内容もクオリティーも保証付き。
そんなNetflixがまたまたお届けする良質アニメーション。
人々が大海原に進出し始めた時代。頭を悩ませる問題が。
世界中の海を闊歩する巨大な海の怪物たち。人々は恐れていた。
やがて怪物を退治する“ハンター”が現れ、人々の憧れと英雄に。
中でも名高いのは、クロウ船長率いるイネビタブル号と、名ハンターのジェイコブ。
多くの怪物を退治してきた。今もある怪物を追っている。
“赤い悪魔”と恐れられるレッド・ブラスター。
クロウ船長の片目を奪い、奴を倒す事はもはや執念。ジェイコブら乗組員も船長と怪物退治に命を捧げる覚悟。
遂にレッド・ブラスターを見つけ、倒す待ちに待った瞬間。
…が、それを諦めなければならない事態が。
別のハンター船が別の怪物に襲われ、その救助に。ハンターたちの間には、“海では互いに助け合う”という掟がある。
救出し、怪物を撃退するも、船は損傷し、レッド・ブラスター追跡はいったん諦め、帰港する事に。
イネビタブル号の帰港に国中大盛り上がり。その功績が称えられ、王宮に招かれる事に。
国王と女王は労うも、信じられない事を。
これから怪物退治は軍の最新鋭の船。ハンターはもう不要。
納得出来ないクロウ船長はレッド・ブラスターを退治し、それを連れ帰る事を誓う。
船長個人的な復讐とハンターのこれからを懸け、並々ならぬ闘志で再び大海原へ。
そんな船に、思わぬ“珍客”が。
孤児院育ちの少女メイジーがこっそり乗り込んでいた。彼女の亡き両親もハンターで、ハンターになる事を夢見ていた。
追跡の果てに、再び姿を現したレッド・ブラスター。
奴の巨体にロープを括り付け、今度は逃がさない。
が、その巨体から繰り出される圧倒的パワーに、船は海中へ引き摺りこまれる危機…!
このままでは船も乗組員も危ない。メイジーは咄嗟にロープを切ろうとするが、クロウ船長が激怒。
その時、ジェイコブとメイジーは海に放り出され、レッド・ブラスターに飲み込まれてしまう…!
旧時代の海を舞台に繰り広げられるハンターと怪物の闘い。
真っ先に思い浮かぶのは、『ヒックとドラゴン』。“海の『ヒックとドラゴン』”と形容してもあながち外れではない。
題材、設定、展開…既視感はあるが、それを最大限に活かした冒険と活劇の王道アニメーション。
『ヒックとドラゴン』は空で浮遊感が素晴らしかったが、こちらは海。船で海を行き、潮風感じる擬似体験。
それを表現したグラフィック。水、波、光のリアルさと美しさ。本作に限った事ではないが、かつてはCGでは表現が難しいとされてきた水だが、技術の進歩により、本当に実写のよう。
序盤から迫力の海上アクションで胸踊る。
ロープを駆使し、傾く船、襲撃する怪物…手に汗握る。
ダイナミックな映像やアクションはアニメーションならでは。
『ベイマックス』でオスカーを受賞したクリス・ウィリアムズ監督が3年半費やしたという力作。
ワクワクの海洋アドベンチャー。でも、単なるハンターvs怪物ではない。
だって本作は、“海の『ヒックとドラゴン』”。しっかりとしたドラマやテーマも織り込まれている。
レッド・ブラスターに飲み込まれ、死んだと思われたジェイコブとメイジーであったが、生きていた。
食われても、腹の底まで飲み込まれてもいなかった。これは偶然…? それとも…?
レッド・ブラスターに“乗って”、ある島へ。そこは怪物たちが棲む島。
メイジーは子犬のような小さな怪物(命名“ブルー”)と友達に。超キュート!
凶暴な怪物も襲い来るが、レッド・ブラスターがそれを撃退する。
甲殻類型の怪物とレッド・ブラスターの闘いは、完全に怪獣映画。“怪物”ではなく、“怪獣”と呼んで全く差し支えナシ。
各怪物の造形、巨大感、重量感も素晴らしい。怪獣好きは必見!
“赤い悪魔”と恐れられているレッド・ブラスターだが、悪者ではないのでは…?
が、歴史書には怪物たちは人々を襲い、町すらも壊滅させたと記されてある。
次第に疑問を感じ始めるメイジー。
が、ジェイコブはハンターとしてのこれまでから、信じたくない。自分の全てを否定する事になる。
レッド・ブラスターは知能も高い。メイジーの頼みを理解し、二人は再びレッド・ブラスターに“乗って”、島を脱出する。
一方、その頃クロウ船長は…。
ジェイコブを失い、悲しみに暮れているかと思いきや、さらに憎しみを燃やしていた。
ジェイコブは幼い頃怪物に襲撃され、両親を失い、海を漂流していた時、クロウ船長に助けられた。
ジェイコブにとってクロウ船長は恩人であり、父親同然。クロウ船長にとってもジェイコブは息子同然。
絆は固い。それどころか、クロウ船長は次の船長はジェイコブと決めていた。
それを奪っていった憎き赤い悪魔…。
クロウ船長は乗組員らの言葉や心配を無視し、ある島に立ち寄る。
そこである人物の力を借り、毒や強靭な槍を手に入れる。
退治…いや、もうズバリ、殺す為の備えは完璧。
が、それと引き換えに、クロウ船長は全ての幸運を失う。魔女のような謎の老女…。
この老女の力を借りる事はハンターの掟に反するが、クロウ船長は復讐一心に取り憑かれていた…。
ジェイコブとメイジーと、そしてレッド・ブラスター。
不思議な旅の中で、縛られていた考えを変える。
メイジーは、歴史書が書き換えられたものと確信する。それも、権力者による捏造。
争いは怪物の襲撃によるものではない。人間が仕掛けたもの。怪物は身を守る為、人間に反撃。
歴史書に記されていたのは、全て権力者の嘘。
ジェイコブも、ハンターが権力者の威厳を保つ為利用されていた確信に至る。実際今、ハンターは無用とされようとしている。
ジェイコブは誓う。もう怪物を狩らないと。槍は折れなかったけど…。
ヒーローだって間違える。
が、人間と怪物の争いは避けられなかった…。
ある島に着くが、そこには軍が駐屯。レッド・ブラスターの姿を発見するな否や、攻撃。
レッド・ブラスターは応戦。この争いの最中、メイジーが怪我をしてしまう。
さらにそこに、イネビタブル号が。毒の代わりに睡眠薬で、レッド・ブラスターを遂に捕獲。
ジェイコブが生きていた事をクロウ船長は安堵するが、再会した二人は怪物の存在を巡って考えが相反していた…。
帰国。国王と女王の前にレッド・ブラスターを差し出し、トドメを刺そうとするクロウ船長。
立ちはだかるジェイコブとメイジー。怪物は悪者ではないと人々に訴える。本当の悪者は…。
恐ろしい存在と思われていた怪物は、本当はそうではない。
人間が勝手に“悪者”に仕立て上げた。人間に都合よく、新たな世界を手に入れる為に。
歴史の中で、人間の野望の為に犠牲になった動物たちはどれほどいるだろう。
怪物は人間に狩られた絶滅動物の代弁。
人間の傲慢、強いては権力の横暴を痛烈に批判。
本当の親子のような絆で結ばれていたジェイコブとクロウ船長が対するのは哀しい。
分かり合えないのか…?
見ていたら、現状の戦争と被った。例えるなら、
人間がロシア。怪物がウクライナ。
捏造の大義名分の為に攻められ、応戦している。
戦争。権力者や赴いた者たちは、どう相手を敗北させ、勝とうかとする。
戦争は一度始められたら、衝突は避けられない。
問題はどう勝つかじゃない。それをどう終わらせるか。
話し合う事。
相手を知る事。
理解し、分かり合う事。
戦争を知らない者の理想的な綺麗事に過ぎないかもしれないが、誰だって望んでいる。
もう争い、殺し合いはたくさんだ。平和的な解決を。
殺し合いで手に入れた世界に、光は無い。
平和的な解決で手にした世界には、光と新たな未来が拡がっている。
人間と怪物が共存出来るこの広い大海原のように。
ソツなくまとまってる!!
テンポの良さ、台詞回しやアクション等、ソツなくまとまってるな、子供の頃なら楽しめたのかもと思って観ていましたが、レッドを捕らえてキャプテンと反目してからは、一体どうするんだろうと没入できました。現在の所謂コロナ禍という名の人口削減やウクライナ戦争等の多くの事象も、近代日本国自体ですらダボス階級や国際金融資本が作ったと気づける人は極めて少ないと思いますが、戦争と歴史は作られたものとする真実が込められていて上手くまとまっていると思います。
全3件を表示