「シンセカイ」忌怪島 きかいじま ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
シンセカイ
村シリーズの勢いもいよいよ衰えてきたなと思ったら今度は島へ。予告は驚くシーンもあったので少し期待して観に行ったのですが…。空振りでした。
まずストーリーがシンプルに面白くないです。島で起きる怪奇現象とVR内の世界が繋がり、過去と現在が繋がり異常事態が起きていくという流れですが、その過程があまりにも唐突かつ超展開で進んでいくので何度も振り落とされそうになりました。
シンプルに進められるはずの物語を、ITの発達やら知り合いの死が重なりまくって無駄に複雑になっているようでした。
怪奇現象を起こした女の霊が、現実で村八分にされていた状況は中々痛々しかったですが、そこから島民が謎の死に陥る理由はかなり雑に展開されてる気がしました。
殺し方に統一性が無いのはまだしも、並行世界とかとは関係ないところで殺しが起きているのでもう何でもありじゃないかと思ってしまいました。
余計なお世話かもしれませんが、島なのに村八分なんかい、村シリーズでやりないよ…とこっそり思ってしまいました。
その息子のシゲ爺が何故島に居続けるのか、というか島民もなぜシゲ爺を差別し続けるのか、リンは何故シゲ爺の元へ足繁く通うのか、ここら辺の問題もサラッと流されたので最後まで理解できなかったです。折り鶴も飛んでいっただけで大した役割を果たしていないのでもうこんがらがりました。
鳥居をノコギリであんなに簡単に切れるもんかね?とか、マッチの火でびしょ濡れの鳥居が簡単に焼け散るかね?とか最後の方はツッコミが止まりませんでした。
VRと現代を行き来しまくるので、現在どの時間帯で進行しているのかが本当に分からなくなります。終わっていってるなと思うたびにどんどん盛り下がっていきました。
役者陣は概ね問題はないように思えました。當間あみさんは今作でも魅力的でした。等身大の少女の姿がスクリーンに投影されていました。彼女を観れるだけでも今作に価値はあると思います。
ホラーなのに怖くないという中々致命的な問題を抱えており、清水監督どうした?という疑問を抱えざるを得ませんでした。ミニシアター系で活躍しているホラー映画監督をもっとメジャー作で起用して欲しいなと思った次第です。
鑑賞日 6/20
鑑賞時間 13:30〜15:30
座席 K-12