「ファブルの二番煎じを狙った結果、滑り倒してしまった可哀想な漫画実写化作品」バイオレンスアクション すけさんの映画レビュー(感想・評価)
ファブルの二番煎じを狙った結果、滑り倒してしまった可哀想な漫画実写化作品
主人公のケイ役が橋本環奈なのはまぁいいでしょう。
抜けているように見えて実は芯を持っている…ように見えるがそれもやはりずれている。
原作ではそんな感じでふわふわしている子なわけですが、映画でもそこはちゃんと描写できていると思います。
ただ、ビジュアル面で大きな問題が一つ。
ケイは巨乳、ということ。
橋本環奈は巨乳とは言い難いのでそこはなんだかなぁとなりました。
ストーリーとしては原作の1巻をベースに4巻までの内容をつまみ食いしつつ、Vシネヤクザものをないまぜにしたものになっていてそれが中途半端な内容にしています。
ヤクザの内部抗争に巻き込まれながらも主人公たちは仕事をこなしていき、その間に人間関係も描きつつ……といった感じなのですが無理に話を詰め込みすぎていて正直だれてきます。
テラノの過去話を差し込むタイミングが微妙、だりあも出すのはいいけどあの程度しか過去話を入れないのであればただの仕事仲間として出すだけで良かった。
ファブルは1作目は前半だれつつも後半尻上がりに面白くなっていきましたが、こちらは失速していきますね。
唯一良かったのは渡辺がケイを追ってラーメン屋に来るシーンではないでしょうか。
あそこは原作通りの流れだったので……。
アクションもダメダメです。ギャグにしたいのか真面目に描きたいのか謎。
ケイや最大の敵として出てくるみちたかくんは人としては並外れた身体能力を持っているわけですが、最初の方は弾丸を見切ったり華麗な体捌きで相手を抑え込みナイフで止めをさしたりと殺し屋系作品でよく見る感じなのに、最後のあたりでは「聖闘士星矢」ばりに拳を掲げるだけで人が飛んだり残像が見えるほどの超スピードで殴り合いを始めたりします。
もしかしたら漫画的演出を盛り込みたかったのかもしれないけど、別に原作でそういう描写出てくるわけではないし(ケイが超スピードでみちたかくんを切り刻むシーンはある)、何がしたかったのかわからんという印象。
カメラワークは「どこかで見たことあるな」の連続で、一貫性がないのはどうなのかなと。
自分は配信されてから観ましたが、事前に劇場で観ていた友人が酷評していた理由がわかりました。