「最近のアメコミ脚本家は滅びかけてると思う」ブルービートル つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
最近のアメコミ脚本家は滅びかけてると思う
特に悪いところもない(いいところもないわけだけど)作品でありながら、なんだかイマイチ面白くないのは単純に高揚感がないからだ。
登場キャラクター、特に主人公に対して寄り添う気持ちが芽生えないのだ。
ブルービートルを応援する気持ちっていうのかな、苦境に打ち勝て!とか、強敵を倒せ!とか、大事な人を助けろ!とか、そういった「感情」が発生しない。
ただでさえ、スパイダーマンとアイアンマンを足したようなヒーローで、能力的な面白みはあるけれど、個性が死にかけだ。肝心の中身であるハイメも、移民であること以外どんな青年なのか分からない。
キャラクターにとって大事なのは、移民であるとかいう環境ではなくても、ハイメの中にある人間性だろ?そこがほとんど描かれていない。
結果、応援(共感)できないヒーローが出来上がる。
絶賛ヒーロー映画疲弊中なのでアメコミ系は大体付き合いで観ている。本作はそれでも、予告編の段階ではちょっと面白そうかもと思ったものだが、結局ダメだった。日本で劇場未公開になったのもやむなしか。
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