「ドキュメンタリーだけどポエミー」見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界 デブリさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリーだけどポエミー
なんとなく、観なきゃいけない映画なんじゃないかと直感して観に行った。この人のこと知らなかった。抽象画を世界の誰より早く描いた人だったのに、美術史から抹消されてきた女性画家。
途中からどんどんスピリチュアル方面に傾倒していくのがちょっと苦手だなと個人的には思うけど、でも芸術家って多かれ少なかれそういうものかもしれない。彼女が描く絵のほうは夢みたいな色彩で案外とっつきやすい。世界の深淵をのぞきこむようにして描いているんだろうに、とっつきやすいなんてひどい感想かもしれないけど。絵葉書を劇場の売店で2枚買った。
美術史の研究者などにインタビューしつつ、彼女の個展会場や拠点としていた場所などの実景を織り交ぜつつのドキュメンタリーなんだけど、詩的な映像がところどころ差し挟まれていて、その湿り気みたいなものがちょっと好きだ。ハリナ・ディルシュカ監督。この人のことも知らなかった。
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