劇場公開日 2024年5月3日

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「このお母ちゃんキャラの魅力と信念には誰も抗えない」ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5このお母ちゃんキャラの魅力と信念には誰も抗えない

2024年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

なんの専門知識も持ち合わせていない主人公が、誰よりも強い信念を胸に抱き、巨大な岩を動かそうと奔走するーーーハリウッド映画が飛びつきそうなジャンルと題材ではあるものの、このトゥルーストーリーがご当地のドイツで映画化されたことで珍しい手触りの良作に仕上がった。魅力的なのは主人公がまさに”肝っ玉かあちゃん”なところ。こうと決めたらテコでも動かない。息子のためならどこへでも足を運ぶ。そんな姿と性格と行動力を一目見ただけで、世界中の観客がなんだか妙に放っておけない身近な人に思えてしまうはず。彼女の情熱に突き動かされように行動を共にする人権派弁護士の頼りがいのある人柄も本作の魅力を担っている。ただし、彼らにできるのは各所に働きかけること。あとはキャンペーンを張ってただひたすら結果を待つのみ。その過程がいささか単調で、展開力に欠けるきらいもあるが、観る者の人間性に訴えかける作品であることに変わりはない。

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牛津厚信