「時は移ろいゆく 人は?家族は?」午前4時にパリの夜は明ける ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
時は移ろいゆく 人は?家族は?
1980年代のパリが舞台、ファッションは70年代のピチピチパツパツのベルボトムパンツややたら襟の大きなシャツスタイルから肩パットの大きなデザイナーズスーツへ、音楽もディスコミュージックからロックシーンへ、伝説のライブ・エイドも80年代の象徴ですね。
政治や文化が劇的に変貌していく中、今作の登場人物たちはどのシーンをとってもそれほど関係性に変わりはなく、一つの場所にとどまり続けているようにも見えてしまいます。
それでも地道に地道に、その歩みは止まっておらず、だからこそ物語の始まりである1981年とエンディングである1988年では年齢も人間性もそれぞれが成長を重ね、家族の中での立ち位置も驚くほどの変わりよう、それでも互いに愛し合いながら絆を深めているなぁと感じ入りました。
当時の映像も盛り込んでいるようで、なんだか温かみのあるスクリーンに心の中にも温かな気持ちが生まれました。
でき得るならば、家族の元を去ったタルラにも幸せが降り注いでいる未来が待っていてほしいものだと願わずにいられません。
特筆すべきトピックはないものの、家族のあり方を再認識させてくれる作品でした。
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