「【家族の絆、人との繋がりや助けの大切さを、80年代ロックを絡めて描いた作品。孤独、不安、苛立ちを抱えつつ善性在るシングルマザーを演じたシャルロット・ゲンズブールが齢を重ねて益々魅力的な作品でもある。】」午前4時にパリの夜は明ける NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【家族の絆、人との繋がりや助けの大切さを、80年代ロックを絡めて描いた作品。孤独、不安、苛立ちを抱えつつ善性在るシングルマザーを演じたシャルロット・ゲンズブールが齢を重ねて益々魅力的な作品でもある。】
■最初に敢えて記す。
・私はシャルロット・ゲンズブールが好きである。で、今作の評点は3.5である。
ー 今作の冒頭から、”ロイド・コール&コモーションズ”の初期の名曲”ラトルスネイク”が流れる。一気に気分は80年代へ・・。
そして、中盤、夫と別れ、シングルマザーになり、ラジオの深夜番組で働き始めたエリザベート(シャルロット・ゲンズブール)が深夜番組に出演した18歳の少女タルラ(ノエ・アビタ)を自宅に連れて来るが、直ぐに彼女はエリザベートの息子マチアス(キト・レイヨン=リシュテル:とても、魅力的である。ブレイクを期待したい。)と恋仲になる。そのタルラの部屋で流れているのは”テレビジョン”の”マーキームーン”なのである。-
◆感想
・ミカエル・アース監督は「サマーフィーリング」「アマンダと僕」に続いて三作目であるが、今作のテイストは前2作とやや違う。が、大きな出来事が起こらない所は同じである。
・物語は、エリザベートがラジオの深夜番組で働き始めた1981年と、タルラがエリザベート達の家を出た後に麻薬中毒になっていたタルラと再会する1989年パートの二部構成であるが、彼らの関係性は変わらない。(因みに役者さんも老けていない。この辺りは突っ込まずに鑑賞。)
<今作は、夫との別れや子供達の反抗期に手を焼いていたエリザベートが、大人になった子供達との関係性も良好になり、それまで常に前向きに頑張って生きて来た姿が報われる所が良いのである。新しい彼氏も出来るしね。
そして、娘と息子にプレゼントをするシーンも良い。息子には大変だった時に書いていた日記を。父の事を悪く言っていた娘には別れた夫がエリザベートが乳癌に掛かった時の”お守りを渡すのである。嬉しそうな詩人を目指す息子とキャリアウーマンの娘。(彼らも、キチンと成長しているのである。)
重ねて書くが、今作では大きなストーリー展開はない。だが、ミカエル・アース監督作品なのだからそれで良いのである。>
■シャルロット・ゲンズブールは、その昔”なまいきシャルロット”を観て、イキナリファンになり、その後はCDを聞いたり、出演映画作を鑑賞してきた。
先日観たソフィー・マルソーさんと同じく素敵な齢の重ね方をされている素敵な女性である。