「役者開眼永野芽郁」マイ・ブロークン・マリコ 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
役者開眼永野芽郁
2022年映画館鑑賞56作品目
10月24日(月)イオンシネマ名取
ハッピーマンデー1100円
原作未読
監督は『百万円と苦虫女』『俺たちに明日はないッス』『ふがいない僕は空を見た』『四十九日のレシピ』『ロマンスドール』『浜の朝日の嘘つきどもと』のタナダユキ
脚本は『リンダリンダリンダ』『俺たちに明日はないッス』『マイ・バック・ページ』『ふがいない僕は空を見た』『聖の青春』『愚行録』の向井康介
ダチの父親からダチの遺骨を強奪しダチが生前に行きたがっていた八戸の海「まりがおか岬」に旅立つ話
永野芽郁主演
永野芽郁役者開眼
永野芽郁が完全に役者として一本立ち
ヌードにはならないがこれもまたまさしく体当たり演技
永野芽郁を味わうための映画
一人芝居が若干多い
独り言が若干多い
大声を張り上げているだけじゃないかと感じる人もそりゃ少なからずいるだろう
いいじゃないか出していこうぜ大きな声を張り上げて叫べばいいじゃん
「打つなテメーコノヤロー!(実際に言っているわけではないがあくまでイメージ)」巨人打線に立ち向かった全盛期の星野仙一投手のような気迫を感じた
永野芽郁はもはや可愛いだけの女じゃない
好感が持てる
ブラボー
冒頭の中華料理店でラーメンを啜るスーツの女というだけで説明なくても外回りの営業だとわかる
割れたスマホを持ち続ける人の性格がなんとなく読み取れる
タバコを踏み潰す描写と骨壷を持って川を渡るシーン好き
牛丼屋でダチの分まで注文して箸を線香のように立てて結局は二人分たいらげるシーンも好き
大切なダチの骨が入った骨壷を武器として使う発想力と行動力が非凡
「くしゃみをしたら床が抜けそう」もなかなかな発想力
ヒロインはダチからシィちゃんと呼ばれていたがしーちゃんといえば自分としては大家志津香なので作品鑑賞中わりと彼女の顔が脳裏に浮かんできて少々参った
女子高生を猥褻目的でバイク男が追いかけるのだがバイクから降りたのにヘルメット被ったまま襲うだろうか
キン肉マンのバイクマンじゃあるまいしヘルメット取れよ
Dr.スランプのオートバイ小僧みたいにチンコとお尻を露出状態ならいろいろと納得できたのだがあまりにも不自然なシーンだった
あとバスで降りた女子高生に手を振る主人公とそれに対して会釈する女子高生のシーンが不自然だった
自分が観た限りバスの中で二人がやり取りする場面は無かった
カットしたのかもしれないがそれだとしたらなぜそこをカットしたのだろうか
タナダユキ監督は疲れていたのか眠たかったのか
残念な点は確かにいくつかあったが強いてあげるならであってそれでも良作といえる
見応え充分
やっぱりタナダユキは天才
助演は奈緒と窪田正孝
奈緒の芝居は想定内
親友に見せるものではないと思うがリストカットの場面は嫌だった
窪田正孝は最上級のホームレスのような出で立ちだがめちゃくちゃカッコよかった
マリコのダチのシイノトモヨに永野芽郁
幼い頃からずっと父親に虐待を受けていたイカガワマリコに奈緒
シイノを度々助けてくれる八戸の釣り人マキオに窪田正孝
マリコの実父に尾美としのり
マリコの継母のタムラキョウコに吉田羊