「理解不能の狂気じみた"愛"が、牙を剥く」マイ・ブロークン・マリコ 北極punchさんの映画レビュー(感想・評価)
理解不能の狂気じみた"愛"が、牙を剥く
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「俺たちに明日はないッス」のタッグ、タナダユキ監督と脚本•向井康介氏の作品と聞いたら黙っちゃいられない。
たまたま去年死んだ母の墓参り後に導かれるように鑑賞。
内容はとにかくやさぐれた主人公、永野芽郁が演じるシイノ。俺が初めて永野芽郁をスクリーンで観た時は「俺物語!!」のヒロインの時だったから、そのギャップと怪演っぷりに圧倒された。
あと、窪田正孝がいい味出してた。正直今まで好きじゃなかったけど、こんな渋さを出せる俳優さんだったんですね。すいませんでした。
正直、映画のキモとしては、死んだマリコをどこまで愛すか、なんだと思います。脚本はいい塩梅でそこを重視していた。距離感で一気に違和感を生み出してしまい物語に集中出来ないという懸念は、さすが安定の向井康介氏が払拭してくれた。
しかし愛がお互いに狂気に満ちていた。
牙を剥く狂気具合が湊かなえを彷彿とさせるほど。
理解出来ないほどに依存体質のマリコを庇うシイノは、強がっている性格とは裏腹なお人好し要素が見えていた。
だけど、特別なマリコにしかそれがなかった。
本当の「暴力的な愛」だった。
あと、こっからネタバレ…というか内容はもちろん話さないですが、オチに賛否両論があるかもしれない。俺は「ありがとう」と思ったけど、鑑賞した女性2人組は「あのオチか…」と言っていました。どんなオチかは観て判断すれば良いと思います。
マリコサイドのストーリーも観たいかな。「マイラブリーシィちゃん」。ちゃんとしたジャパニーズホラー映画になりそうだ。
構成完璧でした。最高の映画体験をありがとう。
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