「2人の女優の存在感が光る」マイ・ブロークン・マリコ tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
2人の女優の存在感が光る
クリックして本文を読む
これまでのイメージを覆すような、ハスッパでヤサグレた永野芽郁には、やはり、違和感を感じざるを得なかったが、それでも、友を亡くした悲しみや寂しさ、彼女を救えなかった後悔、自分を残して逝ってしまった友に対する怒りといった様々な感情をうっ積させ、時に爆発させる彼女の存在感には圧倒された。
対する奈緒も、弱くて愚かな一方で、粘着質で面倒くさいキャラクターに、見事に息を吹き込んでいる。
主人公を励ます謎の青年に何度も巡り合う偶然や、思わぬところで引ったくり犯と再会する不自然さが、まったく気にならなかったのも、彼女たちの圧倒的な存在感があったからだろう。
ラストで、友が遺した手紙を読む主人公の表情からは、友の人生が決して不幸なだけではなかったことと、主人公が、ようやく前を向いて生きていく気になったことが窺われるが、だったら、もっと早く、手紙を読む機会があったらよかったのにとも思ってしまった。
コメントする