「サブスクでテレビ放映版から映画まで一気見がおすすめ」映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ えすけんさんの映画レビュー(感想・評価)
サブスクでテレビ放映版から映画まで一気見がおすすめ
偏屈で無口な変わり者・小戸川。個人タクシーの運転手として街を流しながらも、なるべく他人と関わらないように、平凡な日々を過ごしていた。
ところが、ある日、思い掛けず、 『練馬区女子高生失踪事件』に巻き込まれてしまう。さらに、小戸川の周囲からは、「一人暮らしの部屋から話し声が聞こえた」など、不穏な証言も。事件は、億を超える巨額 の金、目的不明の半グレ集団、売り出し中のアイドル、カリスマ化されていく大学生など、様々な事物が絡み、 収拾不可能なほど混沌としていく。
それでも、ある計画の実行をきっかけに、事態は一気に収束。一連の出来事は、多くの悲しみや不条理をはらみながら、いったんの結末を見た。……かに思われた。
事件後、かかわっていた人々が、口々に証言する。見えていた出来事の裏の裏。本当はそこで、何が起きていたのか…を。それらを繋ぎ合わせることで浮かび上がってくる、事件の新たな輪郭。一人のタクシードライバーが体験した、“人生を一変させるような出来事”がカタチを変え、未来へと続く運命の歯車が再び揺さぶられていく(公式サイトより)。
映画公開時に大ブーイングを食らった作品。もとは、2021年にテレビ東京の深夜枠で放送されたテレビ番組で、ほのぼのとした動物キャラクターや世界観の中に、重厚で大人のミステリーが繰り広げられるという対照性が受けて映画化まで至った作品。
テレビ放映版から映画まで全てサブスクで観れば特に気にならなかったが、確かに、すべての伏線や謎が回収されていないテレビ放送を受けての映画化と捉えると、本作は、総集編+スピンオフ的な演出であり、ストーリー展開がご都合主義的だったり、1枚絵だけで伏線を回収したりと、一時停止や早戻しができない劇場で見ると「?」となる場面も多く、腹を立てる人も多くいただろう。しかも、どうやら、YouTubeで公開されたオーディオドラマのストーリーも映画には含んでいたらしく、その意味で時代的に少し早すぎた企画だったかもしれない。
つまり、観るならサブスクでテレビ放映版から映画まで一気見がおすすめ。
