劇場公開日 2022年4月1日

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「商業主義的辛さも感じられるが良い出来の作品。」映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0商業主義的辛さも感じられるが良い出来の作品。

2022年9月13日
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鑑賞方法:VOD

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内容は、全11話からあるアニメオッドタクシーの総集編的物語。サスペンスアニメでもありながら非常にリズムの良い会話劇を楽しめる映画。好きな言葉は『身の丈以上の友達を持ったから何もいらないよ』主人公オドカワの見栄っ張りなどうしようもない友人柿原が九死に一生を得た場面を振り返り話す言葉。何よりも代え難い感謝と深い友情は生々しいほど無力感を覚え思い出すだけで嬉しくなります。これが最後の伏線となり物語の肝心なキーポイントになる辺りも上手に映画を仕上げたなぁと感じました。長いアニメを余す所なくインタビュー形式で、独自捜査し全ては事件に関係する人間の為の自衛の手段だったとは恐れ入りました。綺麗に纏まって丸く治った話なのにエンドロールで車内が荒らされた赤い車🚗のカットは謎が深まりましたが、全てが丸く収まり大団円でカタルシスの解放が充分感じられました。アニメやノベライズやラジオなどの独特の世界観の表現はこんな纏め方が出来るんだと脱帽しました。幾分、商業主義的に小出しのコンテンツや小物が多く全てを網羅する事に目的が変わってしまいそうで残念。でも仕方ないのかもしれません。時流に乗り一気見するものでは無く思い出しながら何回も会話劇を楽しむ事の出来る珍しい作品です。

コバヤシマル