「みんなの言ってることも分かるけど、」映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ さんかくさんの映画レビュー(感想・評価)
みんなの言ってることも分かるけど、
私は面白かったです。
総集編になるだろうと思っていたし、続きをやるとしても小戸川がどうなったかくらいなので、まあ作るならこうなるよなとなんとなく感じていたからだと思います。
ただ、初見でも大丈夫!という触れ込みはいかがなものかと思いました。
まず、登場人物多すぎて絶対名前覚えられないですしね。
キャラクターが好きなアニメの視聴者はそれぞれのキャラの心情がより深まって楽しめたのではないでしょうか。
ストーリーが好きな方達は、新情報が映画の1割も満たない程度だったので少し退屈だったかもしれません。
どちらも好きなので、大満足とは言えませんがまた何度か観に行こうかなと思っています。
オッドタクシーの製作陣が作った映画なので、一度観ただけでは理解しきれないところも多いと思いますので。
パンフレットでは限られた時間に収めなければならない為全てを見せられなかったとコメントがあったので、いつか全てが観れたら良いな〜と思っています。
でも、でも……最後の実写示唆はホントに要らなかったと思います!
最後の最後で非常に悲しくなりました。
小戸川がどうして助かったのか分からなかったというコメントをたくさん見ました。
エンドロールで和田垣が捕まったニュースと足を怪我した柿花、警察で表彰貰ってる柿花が描かれていたので、勝手に「柿花が助けたのか!」と思っていたのですが違うのでしょうか。
新規シーンの中で一番感動した部分なので違ったら恥ずかしいです。
今回の映画で一番柿花に対する見方が変わりました。
身の丈以上の友人がいることに気づいたところとか、結構お気に入りです。
以下完全なネタバレと軽い考察(というほどでもないですが)になります。
映画は2回視聴しています。
1回目を視聴した時は気が付かなかったのですが、2回目を視聴して気づくことがありました。
総集編ということであらゆるシーンがカットされ、最初は長嶋くんや黒田さん完全に消された…とか、大門兄弟のルーツが全カットされてて分かりづらいな、なんて思っていました。
でも今回の映画は17人の証言を元に作られているので、インタビュアーを我々に見立て、証言者たちがインタビュアーに語ったことだけで構成されていたのかなと2回目をみて思いました。
一番分かりやすいところで言うと、柿花救出時のドブと関口のやり取りです。
アニメではドブが勝つのですが、映画では「楽勝だよ」「負けてねえよ」とどちらも自分が勝ったととれる言い回しをしていた為、勝敗が分からないように関口がノックダウンするところはカットされていました。
長嶋くんはホントに可哀想ですが、ホモサピエンスとボールペン絡みでしか本編に出てこなかったので、今井と田中の失踪の件、また練馬の女子高生事件にも全く絡んでおらず、なくなくカットされたのかなと思います。
でもエンドロールで元気そうな顔が見れて安心しました。
黒田さんについては、反社と大門兄が証言しなかったからかと思います。
アニメで小戸川にあんたは捕まらないのかと言及されるシーンで、良い部下を持ったおかげと返していて、ここに繋がるのか!と勝手に感動してました。
大門兄もドブとの癒着関係についての理由を「どうだって良いだろ」と濁していたので、黒田さんに対して恩義を感じているさまが伺えました。
ただそのせいで初見の方には金目当てにドブと癒着してた汚職警官にしか見えてないのがなんだか可哀想です。
ドブも全て本当のことを話すと言っておきながら、ドラレコのデータを狙っていた理由を(大門兄と同じく)金になるからとすり替えていました。
確かに24日の時点ではドラレコの価値は10億にまで上がっていましたが、当初はボスの娘を探す為に探していたものです。
全て本当と言っておきながらサラッと冒頭に嘘をつくあたり流石だと思いました。
大門兄弟のルーツは調査内容と無関係だから省かれたのかなと思います。
アニメでは大門弟の回想で入りましたが、映画では大門弟が情緒不安定なときに取材していたので、それどころではなかったのかもしれません。
大門兄弟はカットされた部分も多く、二人の絆が見えづらかったのが残念です。
やはりこの映画はアニメ視聴者向けのような気がします。
最後に、2回観たけど分からなかったところがあるので教えて欲しいです。
小戸川が山本に襲われている時、どうして白川さんはその場に居合わせたのでしょうか?
映画では「知ってるくせに」とキャバ嬢2人に話してましたが、いやいや分からないです。
アニメ13話のラストシーン観て、そのあとが気になって、AmazonPrimeで見たくちなので、楽しめたのですが、映画版だけ観たのでは、あまり楽しめなかったでしょうね。ぜひぜひ、アニメ版13話をみましょう。