劇場公開日 2023年3月31日

「良き仲間に囲まれ喜ばれる存在が人生の目的」生きる LIVING 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0良き仲間に囲まれ喜ばれる存在が人生の目的

2023年4月24日
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この作品を見てしみじみと思ったのは、良き仲間に囲まれ、喜ばれる存在が、人生の目的ではないかということです。そのことが一番の幸せなのかもしれません。黒沢の珠玉作品のリメイク版ですから、創作物としてかなりハードルが高いのですが、テンポ良く展開され、映像もイギリス映画らしく重厚で、かつ音楽も非常に上品でしたので、ほぼ同等の完成度を持っていたと思います。まず、可愛い部下だったマーガレットに末期がんのことを知らせたというのは、彼女の生き様が、彼の心を動かしたからなのでしょう。確かに職場において「喜ばれる存在」であったマーガレットは、死を自覚したウイリアムズにとっては、いきいきと輝く光の存在だったのでしょう。また、その彼女が彼につけたあだ名は「ゾンビ」でした。「死んでいるけれども、生きている存在」という言葉に、彼は今までの役所での人生は「ゾンビ」のようであったと気づいたのでしょう。そんな彼女に自分の死期を語り、語ることによって最後のパワーが噴出するスイッチが入ったのだと思います。もちろんちょっぴり淡い恋心もありました。そして見事、何度も陳情してきた市民のために公園を作り上げ、雪の降るなか完成した公園のブランコにのり、幸せな気持ちで亡くなって行きます。彼の最後の仕事は小さなことかもしれないけれども、周りの人間たちに、さわやかな人生の締めくくりを教えたという意味では、平凡な市民の偉大な人生の面目躍如かもしれません。
私見 人生には幸福も不幸もありません。あるのはそう考える自分だけ。その自分が幸せであると思えば、幸せなのでしょう。

三輪
三輪さんのコメント
2023年4月24日

ありがとう

三輪
NOBUさんのコメント
2023年4月24日

今晩は。
 ”人生には幸福も不幸もありません。あるのはそう考える自分だけ。その自分が幸せであると思えば、幸せなのでしょう。”
 深いお言葉ですね。今作やオリジナル作品を観ても自分の人生が幸福だったかどうかは稼いだお金の多寡ではなく、どう生きたか、周りの人を少しでも幸せな気持ちにさせた仕事をしたかなんだと、私は思います。
 私は、自らの幸福とは大切な家族が健やかに暮らす何気ない日々を創り出す事だと思っています。では。返信は不要ですよ。

NOBU
talismanさんのコメント
2023年4月24日

自分は幸せだといつも思えたらどんなにいいか・・・

talisman