「この映画になぜ、みな冷淡なのか」東京2020オリンピック SIDE:A トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画になぜ、みな冷淡なのか
1年遅れで開催された2020東京オリンピック。まだ終わって1年もたっていないのに、多くの国民は、あれを記憶の彼方に押しやったようだ。
この映画の不入りがその証拠だろう。
元々、客が入る映画を撮る監督ではないのだから、ヒットしないのも不思議ではない。
しかし、映画作品として魅力が乏しいとは思わない。
無観客、おまつり要素ヌキで終始した東京オリンピックをどう記録すればよいのか。
河瀨は決して奇をてらう手法で、まとめてはいない。
過去のオリンピック記録映画が、スポーツを映像詩として記録してきた、そのオーソドックスな手法にのって作品にした、河瀨の本作もその一つに連なる水準にある、と思う。
しかし、映画公開前に彼女に文春砲が放たれ、彼女の人間性が疑われるというネガティブキャンペーン、逆風が吹いてしまった。さらに鎮静化しないコロナ、加えての不透明なウクライナ情勢。
おまつりではないまま終わった、一大イベントを今一度振り返ってみよう、という心持にはなれないのは仕方ない。
僕は封切りから4週間たち、既にSIDE:Bの公開も始まっているタイミングで映画館に行った。入りは1割ほど。
上映回数も少ないまま、終了も近いだろいう。
今見ておかないと、スクリーンでは2度と見られないぞ。映画館に急げ。
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