「大人にこそ」屋根裏のラジャー N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
大人にこそ
想像力が爆発する時、きっと誰もが現実でのピンチに直面している。
茂木健一郎さんの著書「脳と仮想」をほうふつとさせる論を下敷きに、
子供向けの体を装い、思い返せる大人にこそぐっとくる内容だった。
もちろん子供たちには、変幻自在の冒険ファンタジーだったろう。
忘れることは、忘れられることは悲しいが、
それがピンチを乗り越えた証、成長の結果で喜ばしくもあり。
けれど芯から失くしてしまえば現実を前に折れそうで、
だからして生まれたのがヒトの想像力を食うしかないやからであれば。
(ピエールジュネの「ロスト・チルドレン」にも、悪夢しか見れず、だったか、子供の夢を食うて補給するため子供を誘拐する悪役がいた)
大胆で繊細。
冒険物語だが哲学的。
見終わってスカッとするようで切なく。
幾度見返しても新鮮な気持ちにかえることができる作品と鑑賞した。
原作も読みたくなったし、筒井康隆の「パプリカ」が黒なら、こちらは白「パプリカ」かもとも過らせつつ。
スターウォーズさながらの宇宙大戦ごっこシーンが、妙に好き。大詰めのイマジナリー対決は手に汗、握った!
追記
「クララとおひさま」を読んでいたのだが、とてもかぶる。クララはSF版イマジナリーフレンドだと理解しなおせた。
コメントする