「予告では期待値はそれほどではなかったが非常に良作」屋根裏のラジャー モンブランさんの映画レビュー(感想・評価)
予告では期待値はそれほどではなかったが非常に良作
ジブリ好きとしては後継とも言えるポノックがどのような作品を作って行くのか気になり鑑賞。1作目のメアリはジブリに対するリスペクトを強く感じるような作品であったが、今作はジブリとも違い、(これから先のポノックは今後の作品を観てからではあるが、)ジブリやディズニーの良さを含みながら他とは違う新たな会社の作品だと感じた。
ジブリは主に宮崎駿監督と高畑勲監督によるもので、宮崎監督は子供にも親しみやすいファンタジーでありながら、観る年齢に応じて受け取り方が変わっていくような面白さがあり、高畑監督は大人向けで、宮崎監督と同じく観る年齢に応じて受け取り方が変わる作品であったりと、他社とは大きく違う印象を持っている。
それに対しポノックの屋根裏のラジャーで百瀬監督、西村プロデューサーはシンプルに子供向けファンタジーとしての見方も出来るが、大人として観た時はかなり難解に感じる作品を作ったと思った。というのも、スピード感ある展開にこの意味はと考える時間があまり無い為、1回で全てを理解するのは難しい部分がある。何度も観たくなる、観るほどに魅力が増す作品だった。知的作品として非常に面白く、また子供より大人が涙する作品でもある。涙活にオススメ。
初見では安藤さんだけあまりに酷く、実写でそのように感じることのない女優さんだったので驚いたが、2回目は初回程は気になることなく、内容の良さが上回った。
他の俳優は皆さん非常に良く、特に杉咲さんに注目。(ネタバレなしでは難しい為このくらいで)他にも仲さん、山田さん、高畑さん、イッセーさんと演技力の高さを感じた。
少し怖いキャラクターがいるが、子供からご高齢の方まで楽しめる作品。実際、怖いシーンは小さい子供には大丈夫かと思いながら観たが、意外にも初回も2回目も観終わった後、楽しそうに話している子供達が多く、自身の経験からも大人が一緒であれば夢の国のアトラクションで悪役が出てきて怖く感じるのと同様の感じといったところだと感じた。
ポノックという会社の未来の明るさを感じることが出来た。