「ところどころ誤訳のある海外の児童書の翻訳本・・・みたいな作品」屋根裏のラジャー やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
ところどころ誤訳のある海外の児童書の翻訳本・・・みたいな作品
表題がまどろっこしくてすみません。
例えるなら古典的な洋書の翻訳がたまたま売れて有名になり大御所になった高齢の作家が、現代の児童書の骨子を正確に捉える能力に欠けスラングを直訳してしまうなど、ところどころ大事な部分を「誤訳」してしまった・・・様なイメージの作品です。何か伝わりづらいなあ(笑)。
装丁・・いや、映像は絢爛豪華だしよく動き本当に美しいんです。非の打ち所がない素晴らしい出来です。
しかしストーリーはというと、登場人物の役割や発言、それぞれの行動、世界のしくみやイマジナリの定義など・・・何か誤訳みたいな違和感、そして設定の後付け感が常に付き纏い作品世界に没入できないもどかしさが正直ありました。
読み聞かせの理不尽系絵本みたいでもありました。たぶん子供は喜ぶかもですよ。
ただ私はおじさんで意味不明な理不尽は嫌いです。
特に役割的に分からなかったのが図書館仕切っていたお姉さんですかね。
説明不足のままいきなり現場に連れてって死ぬか生きるかの危ない目に合わせたり、ラジャーの発言をなんの根拠もなく頭ごなしに否定したり、あとで自身が間違っていたことに気づいてもまるでそんなこと無かったように振る舞ったり、まあまあやってることは支離滅裂で酷い・・・なのに古株っぽく行動が派手ですごく偉そう。
この姉さんは実力ないのに口だけ達者で新人には態度が横柄なバイトリーダーに重なって見えてしまいました(笑)。
このあたりから心が作品自体に寄り添えず、傍観者になってしまった様に思えます。
お父さんの思い出とか、ところどころ泣かせるところはありましたがそれも単発に終わり、また、悪役も行動が単純で深みと魅力に欠けてましたのでそこもマイナスポイントですかね。