「いろんな過去作品をミキサーに入れてかき混ぜたような出来ばえ。」屋根裏のラジャー キングオ-バ-さんの映画レビュー(感想・評価)
いろんな過去作品をミキサーに入れてかき混ぜたような出来ばえ。
それなりに良い作品だと思います。
この作品は、オマージュやパロディ作品ではないですよね。
冒頭の「想像」の場面で大男が農作業をしているシーン。その大男の登場が、「太陽の王子ホルスの大冒険」冒頭の「岩男のモーグ」登場のシーンと酷似していると思ったのは、私だけでしょうか。(解らない人ごめんなさい)
パクリとまでは言いませんが、キャラクターや、ストーリーが過去の作品を彷彿させる部分がふんだんにあるように思いました。
制作者に明確な意図があるかどうかは分かりませんが、もし、意図がないのであれば、制作者の脳裏に、過去の作品の名キャラクター、名シーン、名ストーリーが、強く刷り込まれているのだなあ、と感じました。特に宮崎駿氏の影響を色濃く感じました。
当然、ビジネスなので、結果的に人気が出て、売れる作品を作らなければなりません。
オリジナルのコンセプトを設定した上で、名作のいいとこ取りをして繋げれば、そりゃあ、それなりに「いい作品」に仕上がるでしょう。実際仕上がってます。
確かに、良い作品です。
でも、物足りない。どこか新鮮味が足りない。いつか見たような話、絵、場面。
それを差し引いても、作品としては充分に及第点だと思います。
現実世界の舞台設定ですが、登場人物の名前、町並み、バスや看板等の英語表記、車両の左側通行等から考えてイギリスかと思います。
なのに、一部の掲示物のみ日本語表記は不自然この上ないです。
小学生以下の鑑賞への配慮だとは思いますが、文字は英語に統一して翻訳字幕を付けたほうが良かったと思います。現に他の文字は全て英語なのですから。
おそらく海外配給の場合は、日本語部分を英語に差し替え編集するのだろうと思いますが、
舞台を日本にせず、外国(イギリス?)にしておくあたり、営業戦略が垣間見えました。