劇場公開日 2023年12月15日

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「海外向けかも」屋根裏のラジャー コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5海外向けかも

2023年12月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

結構楽しめはしたのですが、前半に演出的なモッタリ感があって眠気を誘うのには要注意。
アマンダを取り巻く環境の説明が多いし、またラジャーとその母体となる少女アマンダのどっちが主人公なの?という混乱もあるし。
ひとつひとつのシーンは美しく動きも見事なのだが、画に派手さが薄く、レイアウト的な面白みが弱く、終わり方も地味。

他国輸出を考えた前提の作りなのかもしれない。
たとえば作中に出てくるインスタントカメラのフォト下に書かれた文字は、日本語だけでなく他言語に容易に差し替え可能に思えました。
幼児期から個室をあてがわれる欧米だと、1人の寂しさからイマジナリ・フレンドを生み出す素地があるかもしれないから、海外受けしそう。
特に、原作の刊行されたイギリス、原作のヒットしたフランスなどでは需要が大きいのではないだろうか?
日本は数人が一緒に暮らす家の構造で、イマジナリ・フレンドを生み出しにくそうだし、右へ倣え的な幼少時に奇異な言動をすれば変な子扱いで片付けられるだけだし。

と書きながら、自分がこの物語に一番素直になれない理由が、イマジナリで最初に思い出すのが『アンネの日記』のキティだからであり、ナチの所業とイメージがリンクしているからかもしれないと思い至りました。

ラジャーの男の娘っぷりで加点。

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コージィ日本犬