「良かったです」名探偵コナン ハロウィンの花嫁 rriさんの映画レビュー(感想・評価)
良かったです
初期作を彷彿とするような迫力のある犯人にたいへん楽しませていただきました。正体を見抜かれた後の豹変、声優さんの演技、素晴らしかったです。降谷さんの回想に出てきたペストマスク姿の犯人の体格や、原作で使われたネタ(原作コミックス21巻収録の事件など)との類似性から、私にしては珍しく簡単に犯人がわかってしまいましたが、それでも尚満足です。犯人と言えば、「揺れる警視庁」の犯人が死亡してしまうという意外性も良かったです。
ラストシーンのアクションに関してはヘリコプターでの格闘シーンの方が絵的には盛り上がりましたが、エレニカ達の目的が「犯人の息の根を止める」ことから「爆破を止める」ことに変わったことが、殺人犯であっても殺さないとするコナンの信念と合致しており、アニバーサリー作品に相応しい展開だと思いました。腕力を必要とする中、蘭のアクションが見られなかったことが一つ心残りでしょうか。
小五郎に助けられた後の灰原さんの表情、黒電話を叩きつける降谷さんの表情など、キャラクター達のこれまでに見たことの無い表情に驚かされました。「ゼロの執行人」以降、こうしたカットが取り入れられ始めたように見ていますが、新たな楽しみとなっています。
全編を通して、刑事を辞めたいと口にした佐藤刑事への高木刑事のセリフが最も心に残りました。ファンがずっと見てきた佐藤刑事の良さを的確にとらえた、最高の告白でした。
序盤、元太の阿笠博士への当たりの強すぎるセリフが少々キャラブレではないかと引っかかりましたが、細かいことは極力気にしないようにしたいと思います。OP映像は渋谷の街並みの方にウェイトが置かれすぎていたり、「ゼロの執行人」からの使い回しが気になってしまいました。探偵団の仮装姿は可愛らしくて良かったです。灰原さんの赤ずきん姿はバスジャック事件からでしょうか。
次回作も楽しみです。