「一定の前提を鑑賞者に求めるタイプの映画」ホリック xxxHOLiC グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
一定の前提を鑑賞者に求めるタイプの映画
第一印象としては、長編のミュージック・ビデオを見てるようでした。
だから、セリフもいちいち決めにいってるはずなのに、どれも浅い(だって、ミュージック・ビデオですから)。
世の中に偶然はない。(でも映画的には)必然ということにしないと締まらないので。
主人公のワタヌキくんが(実は亡き母の導きで)成長し、覚醒していく物語なのだと思いますが、その能力(JOJOの冒険的に言えば、スタンド名はバタフライ⁈)が遺伝的なものならば、成長と覚醒も必然だったわけで、『人間界のことはすべてお見通しよ』みたいに上から目線の女郎蜘蛛としてはかなり迂闊な感じがします(まあ、えてして悪玉は最後の最後で間抜けな役回りになるのは映画的には必然なので仕方ない、とも言えるのですが)。
というわけで、( )の部分を考慮すれば、かなりいい映画だったと思います。
逆に言えば、蜷川監督だから(美術で勝負‼️)、その辺の辻褄合わせ的な少し大雑把なところは目をつぶってよ🙏🏻ということでもあり、観賞する側に一定の譲歩をしてもらうことが前提の映画なのかもしれません。
そういう前提を観客に求めることのできない映画人にはちょっと悔しいというか、ムカつくと言いたくなるような、複雑な作品ですね、たぶん。
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Uさんさんのコメント
2022年5月15日
「バタフライ」なんてスタンドがあれば、私も使いたい 笑
私はほとんど前提も考えずに、観てしまいます。今回、ポスター通りのヒトとアヤカシの世界を想像していたので、少し悔しかったですね。