「役者はいい。でも冗長に感じるのはホンのせい?」ホリック xxxHOLiC じきょうさんの映画レビュー(感想・評価)
役者はいい。でも冗長に感じるのはホンのせい?
おっ?映画化かあ。杏ちゃんと染谷くんのテレビ版は原作の砕けた感じと謎めいた雰囲気がよく合っていたよ。
映画化にあたって、脚本と監督が心配なのよ。好きな漫画だけに。
残念ながら、映画のスケール感はあまり感じられず、映画化の意味はあまり感じられなかったよ。
役者さんたちは揃っていい味を出していた。神木くんはauのコマーシャル的だけど上手い。柴咲コウさんは杏さんに比べると背が低いので、立たせ方を工夫して欲しかった。マルとモロはもともと式神の犬なのだからもう少し小娘の方がよかったかな?ちょっと肉肉しく妖精感が弱い。ヒマワリちゃんはブラックな雰囲気を纏わせるならティナちゃんは外見が可愛すぎる。テレビ版の東出くん(百目鬼)に比べると松村北斗は悪くないが、あえてセリフを低めにしゃべるので聞き取りづらい、一部アフレコかなぁ?
特筆すべきは悪役側の吉岡里帆(女郎蜘蛛)と磯村勇斗(アカグモ)。ちょっとビジュアルが戦隊ヒーローの悪役みたいだけど、どちらも妖しく美しい。
それにしても、神木くん吉岡里帆とキスしたりオッパイ押し付けられたり密着したりとお得だなあ。
さて、音楽はだるいぞー。特にクライマックスや肝心なところで流れるオルガン曲が、幻魔大戦のキースエマーソンを思わせる。緊迫感が全くない。
最後のオチは原作にはない。柴咲コウ演じる夕子は次元の魔女。それが噴き出したあやかしの束と共に扉の向こうに消え去る。彼女は次元の魔女ではないのか?そして、彼女の店を引き継ぐあからさまななぞり。さすがの神木くんを以ってしても失笑は避けられなかった。魔女が去るという節目を設ければ引き継ぐのが自然だが、そもそも去るからああなるのであって、なんらかの完結を求めることで失敗したと言うしかない。原作どおりの方向性でいいように思う。