劇場公開日 2022年2月4日

  • 予告編を見る

「相手が変わると快感や高揚感もなくなる」夕方のおともだち kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5相手が変わると快感や高揚感もなくなる

2022年2月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

金を媒介した関係で女王様と奴隷の関係って成り立つのだろうか。あくまでプレイとしてのままごとみたいなものなら可能なのかもしれないけど。だから、SMクラブには疑問を持っていた。本作はSMクラブの客とそこで働くバイト女王様のお話。
男なら「ヒィッ!」ってなるようなシーンもあって(実際、近くの席のおじさんが小さく悲鳴を上げていた)、なかなかドギツイ描写が多い。でも、あまりエロさは感じないのが不思議なところ。ちょっと滑稽だからなのかも。
主人公のよしだは、独身で母親が寝たきり。唯一の楽しみはSMクラブに通うこと。何か欠けているのに女性にはモテる。状況は全然違うが、なんか村上春樹の小説のような雰囲気。SMってこんなものじゃないよなって気持ちもわくが、そういう関係性は人それぞれという気もする。
SMというプレイをベースにしているけど、描かれているのは普通の恋愛と何ら変わりない。同じことをしても相手が変わると同じような快感や高揚感がないというのはあり得ること。
でも、情がわいていたり、一緒にいることが居心地よくなると人の関係って別のステージに行ったりもする。だから、最後はなんかいい話になるのもわかる。愛の形を描いたのは十分伝わった。でも、いい話に思えたのは、たぶん大橋トリオのせいだ。

kenshuchu