劇場公開日 2022年1月21日

コーダ あいのうたのレビュー・感想・評価

全556件中、141~160件目を表示

4.0家族って。親ガチャって。

2022年8月22日
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後半の母と二人で話すシーン。
父の前で歌うシーン。一人で見てたので大泣きしました。

家族なしで生活したことないって。普通じゃないことを普通にこなす主人公の強さがやばかったです。

親って選べないってっこのパターンもあるのかと考えさせられました。

ただ、どんな貧乏でも障害があったとしても、愛情を注いで育てることが大事なんだろうなと思いました。また自分の子育てを振り返るきっかけをくれた映画でした!

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hon

5.0家族

2022年8月21日
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理想の家族
こんな家庭を築きたいと思う映画でした。
耳が聞こえない事を感じさせない強く生きる力が湧きました。
2014年制作のエール!のリメイクとのことでそちらも鑑賞したくなった
ルビーが輝き過ぎていて真っ直ぐ見れない…

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ビタミン

4.0娘から家族が自立する話。

2022年8月21日
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テーマ自体はありふれた旅立ちの話。だが良くできてる。
家族の中で唯一耳の聴こえる子が一番若年で、その娘が家族と世間の唯一の窓口となっている。
娘以外の家族は世間とは閉鎖された世界で生きており、耳が聴こえないがゆえに世間の目も気にならない。が、その世間の目を唯一耳の聴こえる思春期の娘が一身に受ける。
それ故、娘が一番しっかりしており、傷付きながらも家族を世間から守って生きている。
娘が合唱部に入ったと聞いて、反抗期と思う自己中心的な母親。無神経な父親。自立しようともがく兄。
これは娘の自立と言うよりも、家族が娘からの自立の話。
リメイクらしいけど、脚本が出来た段階で成功は娘役のキャスティングいかんに掛かっていたと思う。
その中エミリアジョーンズですわ。
めちゃめちゃ良かった。そりゃ感動しますよ。
とても良い作品でした。
他のキャスティングも良かった。兄役も良かったし、V先生も無神経な父親も良かった。
久しぶりに心洗われました。

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トラ吉

4.0青春の光と影…そして,愛

2022年8月21日
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本年度のアカデミー作品賞を受賞した作品。近場の映画館では公開していなかったので、遅れて鑑賞。聴覚に障害のある家族の中で、唯一人、耳が聞こえる少女の心の葛藤と成長を描いたヒューマン・ドラマ。

最近のアカデミー賞は、人種やジェンダー問題等、個性の尊重を取りあげた作品が受賞する傾向にある。今回は、耳の聞こえない障がいのある人達が生きていく息苦しさを、背景に描いている。しかし、主人公の家族は、聾唖であることを障がいと感じながらも、決して卑屈にならずに逞しく生き抜く、人としての強さと明るさを感じられるように描いている。そして、それを支えているのが、ゆるぎない家族愛なのだと思う。

漁師である聾唖の家族の為に、幼い時から通訳となって漁師の手伝いをしてきたルビー。学校では、変わり者の家族ということで、仲間外れにされながらも、新学期に合唱部に所属する。その担当教師が、ルビーの歌の才能を見出し、音楽大学進学を勧める。一方で、ルビーの通訳を頼りにしている家族は、進学に反対し、家族を守ることを願う。好きな歌を続けるのか、家族の為に歌を諦めるのか、その葛藤の中に、淡い恋心も織り込みながら、ルビーの青春物語を描いていく。

それほど、サプライズのあるストーリーでもないし、よくあるヒューマン・ドラマだが、本作の素晴らしさを増幅したのは、やはり手話による演出構成であると思う。主人公家族となる、父役のトロイ・コッツァー、母役のマーリー・マトリン、そして兄役のダニエル・デュラントは、実際に、聴覚に障害を持ちながら、聾唖俳優として活躍している。だからこそ、本作の演技が、決して台本を読むだけの演技ではなく、彼らの心の内から訴えるような、喜怒哀楽が現れているのだと思う。

手話を知らない自分でも、その手話や表情からその想いが伝わり、音声としての言葉を発しなくても、ヒシヒシと感じるものがあった。特に、最後の『青春の光と影』を歌うルビーが、家族の前で、手話をつけて歌い出すところは、それまでのストーリーと相まって、心に熱いモノが溢れてきた。

海外では、こうした障がいのある人々が、エンターテイメントの世界でも、堂々と活躍できる場もあり、それを認める風土ができている。日本も、『24時間テレビ』の時にだけ盛り上がるのではなく、常にこうした人達が、明るく生きられ、互いを認めあえる社会を、築いていかなければいけないと感じた。

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bunmei21

5.0かぞく

2022年8月15日
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母が
あなたが生まれる時
耳が聞こえない子であってほしい
と願ったこと

耳が聞こえる娘に頼らないといけないこと
娘の好きな歌がきこえないこと

すべて残酷なのに
とっても暖かい家族だった

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Yuki

4.0マイルズのギターに合わせ、ルビーの部屋でデュエットの声合わせするするシーンが最高

2022年8月13日
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泣ける

楽しい

興奮

聾唖の世界も、そうじゃない人達も色々な人生があるから、なんだか楽しいじゃないか。
この家族の楽しい所は、両親のあからさまなセックスにもある様に、聴者の娘に対する嫉妬に似た愛情表現のストレートパンチが分かりやすく、周りを気にしていきる私としては、霞が晴れた様な胸騒ぎが気持ちいい。

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ezu

4.5違っているけど、みんな同じ

2022年8月12日
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今、注目のヤングケアラーと、そのろうあ家族の自立物語。

どうしても越えられない壁がある。
本作の場合、「聞こえる」主人公と「聞こえない」その家族という壁だ。
だからこそ理解できない、ゆえに信じきれない可能性をどう理解しあい、
相手を、自身を信じて、しがみついていた手を離し、互いに自立してゆくのか。
過程が見どころだった。
でなければやがては共倒れになる未来が待っているのだから
このあぶなっかしい駆け引きには、やきもきとハラハラのし通し。
(ああ、家族の犠牲になっちゃダメだとか。気を遣わないからって子供ばかりに頼らず、外の人にも頼ってとか。どちらも気持ちは分かるだけに!)

社会からの疎外は感じているものの、そこは日本とちがう海外気質?
鬱めくどころか、外へ外へと向かう主人公家族の自己主張力と、
駆使したサバイバル精神がとにかく痛快だ。

だからこそ導かれた大団円のような気もしたなら
「自立とは多くの人に少しづつ頼ること」である
という全ての人へ向けられた言葉がぴったりのラストには、
もしかするとこの作品は「ろうあ」という要素がなくても
成立する物語では? と閃いた。

いやつまり、ありふれたただの家族の物語をあえて「ろうあ」で再現したところに、
「私たちはちょっと違っているけど、みんな同じなんだ」
なんて多様性への共感、容認を
じつに軽やかに示す作品だったのでは、と感じている。

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N.river

3.5ろう者の世界を知れる作品

2022年8月12日
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実際のろう者の役者を起用している作品で、普段では知ることのできないろう者の世界を知れるのは映画体験の楽しみだと思う。さらにここで出てくるろう者は性に奔放で強者として生きていて、暗く描かれているのが良いと思った。自分の体験として、ろう者と仕事をした時に初めて知ったのだが、映像に付けられる手話はなぜテロップにしないんだろうという質問にろう者はそもそも文字が読めない人も多い事を初めて知った。「あ」という文字を「あ」と発音する概念がないから形として覚えるしかなく、先天的に聞こえない人は特殊な教育を受けないと文字を読むことができない。聞いたらすぐに腑に落ちる事なので、自分の質問の浅はかさが恥ずかしくなった。手話に関しても世界共通ではないので、情報を得る事のハードルの高さは凄まじいものがあると思う。 映画の話に戻ると、基本は家族愛の話として気持ちよく見れるのだが、最後まで音楽とろう者の距離は近づかないまま、娘を評価する先生を通したところで納得する部分に関しては音楽をテーマにするならろう者と音楽についてもう少し深掘りをして欲しいところもあった。日本では落合陽一が耳で聴かない音楽会という新しい試みをしているし、音楽というテーマじゃなくてももう少し他者の世界観を深く知るという事があるともっとよかったのかなという印象もあったが、父役のトロイ・コッツァーはアカデミー助演男優賞を受賞していて、手話を交えた役者の演技は素晴らしかったし、知らない世界を知れる体験だった。

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bluecinema

4.0「コーダ」と「あいのうた」を分けて観るのがポイント

2022年8月9日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 他の家族が皆聴覚障害で、1人だけ耳が聞こえる主人公の気持ちをはかることはできない。
 ただひとつ言えること。この状況を前向きに進ませるには、家族がひとつにならざるをえない。
「心温まる」とか安易に美辞麗句を並び立ててはいけない。
 家族が寄り添うことで、彼らは必死に前向きに生きているのだから。
 外野からとやかく言う必要はまったくない。
 主人公の彼女も言っている。
「家族ぬきで行動したことがないんです」と
 だから、「コーダ」の部分は各々観る者が、自分の心と向き合えばいい話だと思う。

「あいのうた」の部分で一番印象的なのは、主人公の音楽教師。バークレー音楽院出のメキシコ系。
 とにかく教え方が個性的で、たとえが絶妙。
 極めつきは、デビット・ボーイがボブ・ディランを「砂と糊みたいな声」と評した逸話。
 それを得意げに言う教師と、そのたとえがあまりにも的を得ているので、思わず笑みがこぼれる。

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ジョー

5.0大切なことだから面白く

2022年8月8日
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リメイク元の「エール!」も良かったけど、こっちも良かった。
やっぱりいろんな感情を発露させる歌のくだりは素晴らしいし、
ろう者の家族がルビーの才能に(ようやく)気づくってくだりは鳥肌モノ。
今も思い出すだけで涙が出そうになるくらい感動した。

リメイクにあたっての改変もすごく効果的だったと思うし、
こちらの方がエンタメ性の部分で上かもしれない。

ただどちらの作品でも訴えていたのは、
親として、自分が理解できない子どもの表現を評価できるかってとこだと思う。
人は自分が見ているものだけが全てだと思いがち。
その枠から飛び出して、本当の意味での理解者に。

大切なことだから面白く伝えるっていう、
個人的に映画の本質だと思う部分で非常に良くできた作品だったと思う。

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mar

5.0Power Of Music

2022年8月5日
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人生の中でこの素晴らしい映画に出会えて良かったです!

映画の選曲が素敵で、主人公の日常生活や葛藤と非常にマッチしていました。
エミリア・ジョーンズの歌声が本当に力強く綺麗です。

家族との暮らしや学校生活が楽しく描かれていて、笑えるシーンもあります╰(*´︶`*)╯

俳優の皆さんも演技が素晴らしく、表情や身振り手振りなどで感情が伝わってきます。

映画鑑賞後は心が浄化されました✨
全人類におすすめ出来る映画です!

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mash

3.0言葉はとは呪いに近い物かもしれない。

2022年8月4日
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笑える

悲しい

楽しい

内容は、フランス映画エールのアメリカ版リメイクにあたる。手話を第一語とする過程に唯一健常に生まれた少女の葛藤・焦燥・夢・希望・家族の和解をテーマにしたコメディドラマ。好きな言葉は『ハッピバースディトゥユー』冒頭の自分のやりたい事を見つけたが不安に駆られる感情を1人湖に向かって歌い上げる言葉。あの時に、主人公はもう1人の自分に気付き生まれ変わったのではないかと思う。そして青と緑に囲まれた映像も美しかった。素晴らしいロケーションです。好きなシーンは『自分の為に歌ってくれ!』という父親に車の🛻2台に隣同士で座り喉の振動で聴こえない歌を必死に聴き取ろうとする父親の姿に胸を打たれる。耳で👂聞くだけでなく身体で聴く聾唖者の感覚が少しでも分かり違った感覚が新鮮で楽しかった。双方の映画作品を通して言葉は意味をなさず気持ちを伝えるには不十分な事が良くわかる。家族を大切に思うあまりの呪いにも似た縛りや社会生活をしていく上で生きにくい区別された仲間意識の壁など簡単に解決出来ない問題に光を少しでも当たる事が出来た素晴らしい作品だと思う。エールとコーダを観て、どちからが好きかと問われれば前者が自分的には好みです。なぜならば元々TVドラマ形式での放送でもあり、家族関係がウェットに富んだ面白かったからです。でも人前でマリファナは駄目だよな。

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コバヤシマル

3.5エールのリメイク作品

2022年8月4日
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リメイクらしく、とてもわかりやすい演出とドラマチックなシナリオ。

聞こえないことや若い恋の話がわかりやすく噛み砕かれた演出で優しい内容でした。

情緒や曖昧さから見るとこちらの方がやや平面的な印象でした。

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大粒 まろん

4.5仕事早退、劇場直行。2本立て1本目。素敵に泣ける作品だった。さすが...

2022年8月3日
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仕事早退、劇場直行。2本立て1本目。素敵に泣ける作品だった。さすがはオスカー受賞作。
様々な葛藤を抱えつつもそこにある確かな家族愛。本作の肝です。
そして歌の力。超絶美人ではないが確かな歌唱力を有す主人公、リトグリに欲しい。

今大好きなリトグリ、えらいことになってます。長期離脱の芹那はともかく、これまで多大な貢献を果たしたまなかさんまであっさり切ったワタナベに不信感、綺麗事にしてるのが卑劣。

閑話休題、主人公家族、お盛んです(笑)本作、リメイクなんですね、元作も是非見たいです。楽しかった。

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はむひろみ

4.0コーダの意味を知る

2022年8月2日
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長い事生きてるのに 知りませんでした。
日本でそういう言い方するようになったのは近年なのでしょうか?
と思って調べたら

1980年代にアメリカで生まれた言葉である。1994年、D-PRO主催 THE DEAF DAY'94でのレスリー・グリア氏(米国/ろう者)の講演にて、日本で初めて『CODA』という名称と概要が紹介された。その後、成人したコーダが初めて集まり「J-CODA(ジェイコーダ、Japan Children of Deaf Adults)」が結成された。以降、一時期活動に間が空いたものの2000年頃に活動を再開。2015年に組織化して会員登録を開始した。

だそうで、なるほど。

という出だしが 無粋なくらい良い映画である事は間違いなくて

エールっていうフランス映画見た時の
あのあまりの荒削りっぷりにびっくりして
アメリカ映画にリメイクは そりゃあアリだろうと思ったが

その通りに 素晴らしくリメイクされていた。

牛を飼うチーズ農家が 漁業へと変換され
それに伴う事故が 彼女を家族に縛り付ける理由となり

弟は兄になり
彼女に家を出ろという。

あとフランス映画の方では かなりとっ散らかった印象のお父さんの選挙もなかった。

歌のうまさも極め付けで
オーディションでプロダクションというのではなく
大学に というのも 真っ当に見えた。

と つらつらと 違いを並べてしまったけれど

そういう事でなく とても良い作品となっていた。

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asica

4.0愛が包む名作。

2022年8月1日
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泣ける

笑える

幸せ

Amazonプライム 吹替版にて視聴

フランス映画「エール!」を米リメイクした作品。
障碍者を題材にしたフランス版のリメイクと言うと「最強の二人」を思い浮かべてしまうが、
こちらは舞台設定をよりドラマチックに修正したようだ。
「エール!」については未視聴なので、対比については割愛。

聾者の家族の中、通訳のように生きる主人公のルビー。
しかし、召使のような訳ではなく、家族の愛の中で身を寄せ合って暮らしている。
彼女は歌が好きだが、家族の理解は得られない。そんな中、音楽の先生に才能を見出され……
と言った内容の本作。

本作のテーマは「理解と共感におけるハンディキャップの壁」と「家族の中の犠牲を是とするか」の2点だと感じた。

話者とのコミュニケーションの難しさ。これは聾を扱う上では必須だ。近年の映画では「聲の形」が一番適格に描いていたと思う(ヒロインの非現実性以外)
そこに主人公の音楽的才能を理解する事の難しさも加わってくる。
なるほど、これは共感出来ないことを共感させられる。とても苦しい演出だ。

しかし本作は、むしろそこから先を越えた、家族として娘の夢を後押しする事を描いている。
愛が全てを包むような読後感を与えてくれる。それが素晴らしい。

この物語の性質上、主人公の才能を説得力のある描写で表す必要があるのだが、
ルビーことエミリア・ジョーンスの歌が上手すぎて納得させられる。
特にラストの歌唱シーンは最高だ。
あそこまでの歌唱シーンは近年類を見ないくらいの心の揺さぶり方だ。
例えるなら「バーレスク」のテス(シェール)の歌唱シーン「You Haven't Seen the Last of Me」クラスの出来だった。

劇場で観たかったような。一人で静かに観たいような。
そんな宝箱のような作品だったと思う。

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kou-suke

4.0後味のいい映画

2022年7月31日
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支え合いながら生き
お互いを思い合う
素敵な家族のお話で
後味のいい映画です。
途中,家族があまりにも似てないような気もしましたが
キャストは魅力的でした。

両親や兄が
興味を持つことや聴くことすらできない歌を
家族思いのルビーが選ぶだろうか
なぜこんな話にしたのだろうかと
疑問に感じましたが
親や家族の理解できないことを好きになり
それに懸けていこうとするのは
耳の不自由な両親や家族を持つ人に
限ったことではなく
世の中にはいっぱいあることだなと思い直しました。

自分たちには理解しづらいことでも
子どもの願いや人生を尊重し
自分たちのもとから送り出す
親離れ・子離れ・独り立ちのお話でもありました。

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アツコ

4.0無欲の潔さ

2022年7月31日
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きょうび、ネットに帰属するわたしたちがいちばん腐心していること──といえば、自然さである。

ほんとは、ぜんぶ作為でやっている。

たとえば美容系インフルエンサーが一日をつづった動画は、寝室にカメラをセットして、いかにも起きました体で起きる。そこから一度もカメラ目線することなく、普段やっていないような朝食をつくりメイク・身支度をして仕事へでかける。帰宅した体でマンションの扉が開き、普段やってないような夜食をつくり、バスタイムからお肌のお手入れなどを見せて就寝する。・・・。
平素を装っているが、まちがいなく総てテイクを見て、なんなら何度か撮り直している。

自然にやっていないのに自然なように見せるのが、配信者の前提にある。だからこそ天然をもっている人がウケる。たとえホントの天然でなくても、天然が自然にみえる人がウケる。

論争の際、汲々と反駁したときなどに「おや必死だね」といなされることがある。必死はよく使われる嘲弄の表現であり、必死さは見えてしまうと見苦しいクールorスマートの反義語である。ところがYoutube、Tiktok、SNS、ブログetc、それらのオーナーで、PVや再生をかせごうと必死でない人間など一人も存在しない。

たんなる偶然やふとしたはずみでネットに動画や文をあげることはない。すでに成功した者からじぶんのような無名の者に至るまで、誰もが作為と承認欲をもって投稿するわけである。
だからこそ、どうしても欲しいのが、それをなんの気もなしにやっているのだという自然さである。「おれはなにも期待してはいないよ」というナチュラルor無欲な空気感である。

映画も登場人物の生活環境を自然に見せたい。

コーダは漁師一家の底引き網漁からはじまる。
父と兄とルビー(エミリア・ジョーンズ)が網にかかった魚を選別している。かれらの様子も船もロケーションもそれを日常としている気配=自然さが際立っていた。

率直なところ、リメイクのコーダが海外で絶賛されているのを知ったとき、権利を買い取ったとはいえ、元映画(La Famille Bélier、2014)よりも大きな栄誉に浴しているのが、なんとなく不可解だった。日本には二番煎じという言葉がある。

おそらくコーダはリメイクを二番煎じととらえられないよう、徹底的に、環境や人物のつくり込みをしたはずだった。自然さに腐心したはずだった。その意気込みが冒頭から伝わってきたわけである。

ルビーはちいさな体躯にぶかぶかのマリンフォードをはき、それがルーチンのように高らかに歌っていた。そのはじまりで、彼女が歌がうまいことや生活環境、塵塚の鶴orとびが鷹を生む──物語の概観を察知することができた。自然さに説得力があった。

また、母ジャッキーを演じた聴覚障害者のマーリー・マトリンはシアン・ヘダー監督のオファーにたいして、相手役となる夫をじっさいのろう役者から選ばなければ出演しないと突っぱねたそうだ。
その要求が飲まれTroy Kotsurがえらばれ(男性の)ろう者として初めてオスカーを獲った。
つくり込まれた自然さとほんとのろう者をつかったリアリティ。──外堀から再構築している気配がリメイクの枠を超え、海外での絶賛は頷けるものだった。

映画の核心は歌の才能に自覚のないルビーの自然さだと思う。
前述したとおり、自然さの対義語は作為である。もしルビーが歌がうまいことを自覚し、自己顕示欲をむきだしにしてしまえば、映画の魅力は半減どころか、失われてしまったに違いない。

思春期にある自信のない少女、漁師や荒波の似合わない少女、家族4人中ただひとりの健常者、その境遇がコーダを青天井にドラマチックにしている。琴線をくすぐられた。

漁師の娘事情を描きながら、しっかりコメディもしつつ、弱者(=家族の障がいや家計の苦しさ)をひけらかすことなく、きれいなシンデレラ曲線が描かれる。──もっとも観衆寄りの映画祭サンダンスでの観客賞は当然だろう。

逆境を跳ね返すうつくしい多幸感の映画。
ルビーの夢に寄り添った濃密な2時間だった。

(なお、マイルズくん目当てに合唱部入るときガーティが、
If you start, you know, beatboxing or doing that cup clapping thing, we’re done, yeah?(ボイパとかCupsとかはじめたら絶交だかんね)と釘差したところ、ツボりました。)

余談になるが、かえりみて、成功する人とは、その能力に無自覚なものではなかろうか。
バズりのような得体の知れない名利のために、わたしたちはネット上へ文や動画をあげることがある。
その単なる作為を、野心とか野望のようなものだと勘違いしているふしがある。

しかし夢を追っている人は、作為的ではない。
コーダがかぎりなくさわやかに見えるのは、承認欲まみれの現代人から見てルビーの自然さがうらやましいから──なのかもしれない。なんてね。

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津次郎

4.0オーディションで手話をしながら歌うシーンは感動して涙が出てきた。

2022年7月30日
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鑑賞方法:VOD

オーディションで手話をしながら歌うシーンは感動して涙が出てきた。

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ホンマサ
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