コーダ あいのうたのレビュー・感想・評価
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久しぶりに良い映画を見た。
今で言うヤングケアラーの話、とはとても片付けられない。先生に歌ってる時の気持ちを手話で伝えるシーン、背中合わせで歌うシーン、名シーンがいっぱい。コンサートのシーンの演出にはびっくり。俳優も、本当の聾者とは。力のある手話。爆発する表現力。しかしながら主人公の歌声にはもう少しパンチ力求む。とにかく涙が止まらない。
音楽がとてもいい。爽やかに感動する映画。
2022アカデミー賞作品賞、脚色賞、助演男優賞を受賞。
遅ればせながら、やっと見ることができた。2014年のフランス語映画『エール!(フランス語版)』の英語リメイクであったことから、見るのを先送りにしていた。が、爽やかに感動する映画であった。ただ、下ネタが多いのでご注意を。
主人公(エミリア・ジョーンズ)が合唱部に入ると聞いて日本のクラシック的な合唱部かなと思いきや、ソウルフルな歌が続く。音楽教師はメキシコ出身でとてもハイテンションでポジティブ。彼女の才能を見抜いて熱く指導する。実際に役者もメキシコ出身のエウヘニオ・デルベス。スペイン語的な英語もいい。歌うことの基礎と厳しさを伝えてくれた。
印象に残った曲は、原曲でいうと
You're All I Need To Get By
(マーヴィン・ゲイ & タミー・テレル)
Both Sides Now(ジョニ・ミッチェル)
私も若い頃に聞いた馴染みの曲を、若いエミリア・ジョーンズ & Ferdia Walsh-Peeloが歌う。これがいい感じに仕上がっている。何度か出てくるのもいい。
ろうあ者のファミリーに一人だけ聴覚を持って生まれた娘(エミリア・ジョーンズ)。彼女が生まれたことは両親にとって必ずしも喜ばしいことではなかった。兄もろうあ者であるが、妹が生まれる前までは家族三人で幸せだったと。
兄が将来の妹を思う気持ちと、ろうあ者でも無力ではないと兄は力強く前向きに生きようとする。
私には、この音楽教師と兄の後ろ盾が心に響いた。
ギャガ・アカデミー賞受賞作品特集上映で見る。
良いストーリー
聴こえる私が守らなきゃいけない
以前、仕事で手話を大勢の前でしなければいけない時があった。全くの経験が無いのに。
堪能な同僚に指導してもらい自分のパート分を必死に練習し、一応習得でき役目を果たせた。
その時、思っていたのは、
大勢の前でなく居られるならその方のところでやればいいのに、
不特定多数に対してなので、する必要性あるのかどうか、パフォーマンスでは⁉︎
など。
不得手だし、大勢の前で失敗したらとか消極的思考。
その後はする機会もなく。
もし、健聴者の誰もが母国語を話すように手話を習得していてそれが当たり前の世の中なら、
このお話のルビーは、もっと自由で肩に両親の期待がズッシリと乗る事もなくレッスンに遅刻もせずにいた筈だし、本作は生まれてはいなかったかも?
そんな世の中ではないので、本作はヒットした。
ただ、手話を身には付けていないが、代わるものがあった。
人々の心だ。
ルビーへの
父•母•兄の心、BFや先生の心、友人や保護者の心、そして、父と兄への漁師仲間の心。
多くの人の心がルビーを家族を温かく包み込む。そんな人々の温かい心たっぷりの作品だった。
『エール』と見比べましたが、どちらも良かった。ポーラとルビーが最後に歌う歌も。
[追記]
映画を観て良かった、とは思うが、
また別にこの作品がどうしろ、と訴えている訳ではないが、エンタメとして考えればいいのだが、何か心にそれでいいのか?と聞く声も聞こえそうで、しかし、多分、何もしないと思う。
どちらが好きか分かれる作品
音楽教師の1989年卒業の意味は…
英国映画「リトル・ダンサー」に心打たれた
観客は同じような感動を得られたのでは
ないだろうか。
苦しい生活の中でも、才能ある子供を
より高度な世界に送り出す構図は一緒だ。
キネマ旬報の読者部門での第1位に
選出された作品が早々とTV放映されたが、
短縮版だったような印象だったので、
改めてDVDレンタルして鑑賞した。
「CODA」が聴覚障害の親を持つ子供のこと
を意味することを初めて知ったし、
こういった作品が、健常者と障害者の
意識疎通の障害を取り除く力をなることも
期待させられた。
この作品が心地良いのは、
聴覚障害の家族に日常生活の中での卑屈さを
感じないことだが、
一方で、現状の難しい生活の中では、
娘はかけがえのない家族の支えだ。
実は、家族は彼女の歌声を知るすべもなく、
合唱サークルの発表会のシーンで、
監督は観客に、
家族の“沈黙の世界”を我々に示した。
そんなハンディの中でも、
その才能と歌への想いを
徐々に理解をして、
彼女を音楽大学に送り出す。
家族だからこその想いが私にも共振して、
ラストの家族との別れのシーンには
号泣させられるばかりだった。
それにしても、音楽教師の存在は
この作品のテーマに関連して
意味深に感じる。
大学入学試験での主人公に、
改めて音楽への想いを思い出させるために、
わざと伴奏を間違える機転には頭が下がり、
また、彼の大学卒業の年を
ベルリンの壁崩壊の1989年にしたのは、
この作品で触れる、健常者と障害者の垣根や
貧富や教育格差を打破したいがための
象徴として設定したのではないかと
想像したが、どうだったんだろうか。
また、「青春の光と影」の歌詞は、
この作品のテーマにフィットする
見事な選曲に思え、
感動を後押ししてくれた。
「言葉にできない」愛
コーダ(Coda)とは、耳の聞こえない「ろう者」の両親に育てられた子供の事を言うそう。
両親、兄も先天的に耳が聞こえない家庭で育った少女の愛の物語。
いやー、泣いた。
家族愛に弱い私なんかにはぶっ刺さりの映画でした。
そしてそんな少女が歌を生業に生きていこうというのだから、それだけでもう面白い。
手話って凄く良いな、と、健常者だからこそ思えるのかもしれないが、よりそう思わせてくれる素敵な映画だなと感じました。
こういうテーマを取り上げると、どうしても重たいストーリーになりがちな中、ちゃんと笑えるシーンもいっぱいあり、ちゃんと最後には泣かせてくれるんだから、もう最高です。
もう家族が皆それぞれを愛してるんだなっていうのが節々で感じられて、本当に温かくなる映画だったなー。
やはり主役のエミリアジョーンズの歌唱力は凄まじく、演技力も持ち合わせているお陰で、しっかり作品に感情移入出来る点も◎。
また映像美も素晴らしく、音がなくても感動出来るようになっている気がして、かなりの良作だと思った。
何度見てもきっと感動するし、心が温かくなる。
そんな映画でした。
高校生、家族を背負って生きる辛さ
仏版のオリジナルは鑑賞済み。そちらもすごく感動的でおもしろかった!!
仏版は下ネタが過激でおもしろさもあるけれど、ちょっと刺激強めなので、こちらの方がおすすめ。
あと、年齢が三歳違う。仏版は中3でこちらは高3。その違いは大きい!
中学生が自分を犠牲にして家族のフォローしたり、大人と渡り合わなきゃいけないのは、仏版の方が胸が痛かった。
両親、兄共に聾唖で、一人だけ耳が聞こえる主人公(ルビー)。
家族は他人とのコミュニケーションせず、ルビーの手話通訳頼み。
それに、健聴に対しての敵意が強くて板挟み。
家族が手話で目立つので、学校では浮いた存在。なのに、家族で唯一の健聴者なので家族とも分かり合えない孤独感。
そんなルビーの特技は歌。でも、聾の両親は歌の良さが分からない。ましてや、歌手なんて未知の世界!全く理解してもらえない。
私がいないと家族が生きていけない、でも、自分の夢も出来た。周りの同級生とは違う、家族を背負ってるルビーの辛さや責任感が痛いほど伝わって来る。
ルビーの気持ちが込められた歌は、観客の心を激しく打つので涙なしでは観ていられない。
世界中で愛された映画、必見です。
<吹替 金ロー>
「あい」に溢れた素晴らしい作品
試写会の機会をいただいきTOHOシネマで鑑賞。ありがとうございました。
4人家族のロッシ家(労働者階級なんでなんとか家って自分で書いて違和感あるなあ)、家業としての漁業で生計を立てていますが、主人公のルビー以外は聾唖者。ルビーが3人、特に父親、兄貴と社会との通訳者として機能しています。そして、ルビーは音楽が好きで歌うことが好きで才能を見いだされ、自我に目覚めていきます。で、実際に聾唖の役者さんがやってるんですよね。
・家族同士、お互いに思ったことをぶつけ合う。でも、最後は穏やかに。
・愛の相対性について考えさせられた。自分は幸せを感じていなくても、客観的に幸せそうに見えるんだな、とか。
・才能を拾い上げ、育てるあい。ルビーの歌唱力を見抜き、その才能を伸ばそうと尽力していくV先生の献身の表現が上手い。V先生の欲求の俗っぽさもちゃんと描かれている。
・漁獲規制やら買いたたきが進んでいく中で、それに対抗するためにロッシ家が立ち上がり業業組合を作り、周りが協力していくという、聾唖者を無力なものとしていない、意志も行動も確固たる「人格」としている。
・圧倒されたシーンがありました。聾唖者なら当たり前に感じるところですがその場面では身動きがとれなくなりました。初めての経験でした。この場面を体験するだけでも映画館で鑑賞する価値はあります。
・ルビー役のエミリア・ジョーンズ、相当に頑張ったんだろうな。もともと手話が出来た人なんだろうか?手話を繰り出すところがあまりに見事。あ、歌唱も見事でした。
・夫婦愛がよろしいのは何よりですw
・粗なんですけど卑ではないです。多分。
最後の手話の意味を知ってまた泣く
受賞に見合った作品とは思えませんでした
演技はよかったが、脚本は普通。
家族愛、恋、夢
変な人たちが、愛情で優しく包み込んでくれる。
前提として
・2回目。
・リメイク元の『エール』は未視聴。
・シアン・ヘダー監督の他作品は未視聴。
2回観たけど泣ける。
先生とか家族とか友達とかみんな優しい人たち。
癖は強いけど。
娘も母親もボーイフレンドも(兄貴と父親は常にブレない。)、それぞれが大きく成長していく。
手話ネタでクスッとしてしまうところも多いけど、歌は素晴らしく(特にエミリア・ジョーンズ)、家族愛に涙する、このバランスが素晴らしい。
手話が全て字幕で終わってしまうのが勿体ない。それぐらいの演技の力をキャストから感じた。
手話ではないものの、耳の聞こえないなかで、娘の歌声を聴こうとするお父さんの視点が素晴らしい。
自分は変な家族の一員だ。早く家出したい。
そんな人にオススメ、かも?
また家族を抱きしめに行きたくなるはず。
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