コーダ あいのうたのレビュー・感想・評価
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心を押してくれる映画
最近の映画は、世の中が詰まってくる世相の中、心を押してくれる映画が流行りなのかも。前に見たベルファストも最後におばあちゃんがgo!と言ったのと同じように、お父さんが娘にgo!と言って送り出した。
少しステレオタイプな面はあるものの、耳が聞こえない家族と聴こえる1人の少女の話にすごく引き込まれた。
アメリカの大作が多い中で、このような作品が出るのも、アメリカの懐の大きさなんだと思う。
日本は大作もないし、お涙頂戴かお笑いばかり。
ドライブマイカーがようやく嚆矢をえたものの次が大事。
後味の良いヒューマンドラマ
Deafと言う社会派なテーマを、こんなにも爽やかでユーモラスに、そして観た人達が、みんな前向きになれるテイストに仕上げられるのは、流石アメリカン!と感心。
Deafである人々には、ろう文化(日本語での名称や漢字表記には問題があると知りましたが、歴史ある文化なので、とりあえず使用)という世界があり、それは個々の結びつきも、個とコミュニティの結びつきも強固であると聞きました。彼らにとって、居心地の良い社会なのです。
例えば健聴者が、全く理解できない言語の国に1人で置き去りにされたら。想像しただけで不安に苛まれます。
だから、ルビーの母親が外の世界を嫌厭したり、娘が健聴と知って落胆したのは、責められる事ではないんだと思いました。それは終盤のコンサートの場面での演出で、強烈に実感できます。あぁ、こういう世界でずっと生きているのか、と。
娘の歌声は聴こえないけど、周りの観衆の表情などを観察して、その素晴らしさ、才能を理解した父と母。健聴の娘の世界に2人が一歩寄り添った瞬間にも思えました。
父親役のトロイ・コッツァーは、神話のポセイドンさながらの髪と髭で(だから漁師?)、少しプライドの高い、強い父親をコミカルに演じていました。
兄役の俳優さんも、Deafの世界に固執せず、SNSを楽しんだり、妹の友達をガールフレンドにしたり、漁業の新形態にトライしたりと、若者らしいエネルギーに溢れる反面、聴こえない事による軋轢、葛藤の感情表現が素晴らしかった。
多様性と言うと大風呂敷を広げた感じになるが、日本人が皆、個人差こそあれ英語を理解しているように、マジョリティである健聴者が少しずつでも手話を習得すれば、お互いに、新しい発見、楽しみが広がるだろうなぁと思いました。
愛のうたというタイトル
あまり納得する日本語タイトルの少ない今日この頃。愛のうたという表現は肌にあった。
どうしてこの作品に感情移入できたのか、それは私がヤングケアラーだった過去があるからだと思う。主人公は聾唖者の家族を支えるために自分を時間を使う。姿は異にするが、祖母の背中の垢を風呂の中ヘチマで落とす自分に重なる瞬間があった。彼女は(いや、我々は)世間が思うより幸せで、自分の置かれた状況を十分に理解している。ただ、私も、彼女も、家族から解放されるタイミングがあり、それは同様に幸せなのだ。
作品を見た方ならわかると思うが、家族に寄り添うことはは決して間違ったことではない、という表現をされている。家族に寄り添い、支える人生もまた、美しい。彼女がひたむきに自分の好きなこと(歌であったり、家族であったり、パートナーであったり)に向き合っているから。ただ、時間は有限で身の回りの全てに取捨選択が必要となる時は必ず来る。選べる立場にあった彼女は幸せだった。才能に気づいてくれた人、愛してくれる人、そして背中を押してくれる家族がいることは何よりの幸福なのだと感じた。
最近勉強を始めた手話をじっくり見ることができたのも面白かった。「綺麗」「嬉しい・楽しい」と言った単語は日本のものと酷似していた。また、口に出すことが憚れる単語たちも見ているだけで理解できるし、そこにユーモアを持って行った脚本にも拍手を送りたい。これをきっかけに(ドライブマイカーの時も思ったが)違う言語として手話を身近に感じてくれる人が増えることを切に願う。
合唱祭の演出も映画を見ている我々を違う世界に誘うタームになっていた。父親が「俺のためにもう一度…」と歌をねだるセリフに愛を感じた。
久々に出会えた洋画の名作
率直な感想としては、久々にストーリーをじっくり堪能できた洋画作品でした。
何年経ってもストーリーが頭に浮かび『あの作品、面白かったな』と思えるような心に残る作品だと思います。
※以下、ネタバレ
両親と兄はまったく音を聞き取れない聴覚障害者。家族で唯一の健聴者である娘のルビーは家族の耳(手話通訳)となり、家族の仕事や生活を支えながら仲睦まじく暮らしていた。
そんななか、ルビーには類稀なる歌の才能があることを合唱部の顧問に見い出される。しかし、それによりルビーや家族のなかには様々な葛藤が生まれ、軋轢が生じていく。
合唱部顧問はルビーの才能を開花させるべく、親元を離れ名門音楽校に通うことを勧める。しかし、家族はルビーの手話通訳なしには仕事が成り立たない。家族にとってルビーを失うことは死活問題だった。
家族を見捨て自分の夢を追い求めるのか、夢を諦め家族の耳となり続けるのか。一生を左右する人生の分岐点に立たされ、ルビーは苦悩する。
仕事のために娘を手放したくない両親、『家族の犠牲になるんじゃねえ!』と進学を勧める兄、『私にだって人生がある!』と夢を追い求めるルビー…その進路を巡り、仲睦まじかった家族にも軋轢が生じるようになる。
しかし、当初は進学に反対していた両親も娘の強い気持ちと才能に気付き、次第に理解を示し背中を押すようになる。そして家族が苦しむ姿を見て一度は夢を諦めかけたルビーも両親に背中を押され、夢を追う決意をする。こうして家族は再び娘の夢のために団結する。
ざっくり書くとこんな展開です。
身体的ハンデを抱えながらも明るく前向きに生きる家族、そんな家族の中で唯一の健常者である主人公の苦悩や葛藤、そして互いに支え合って生きる家族の絆、そんな家族に突如として訪れた子供の巣立ち、それを見送る両親の複雑な親心…派手さはないけど、非常に良質で見応えのある人に勧めたくなる作品です。
けっこう重苦しいストーリーに感じるかもしれませんが、家族の会話が非常にユーモラスで、聴覚のハンデを感じさせない、良い意味で弾けた明るい家族なので、全体としては重苦しさは感じず、いいバランスに仕上がっています。
あと余談ですがルビー役のエミリア・ジョーンズがめっちゃかわいい(普段のバッチリメイクの彼女より、映画のナチュラルな彼女のほうが断然かわいい。笑)
素晴らし過ぎた。・゜・(ノД`)・゜・。
ネトフリやら何やらで、良くも悪くも動画視聴の環境は変わっている。
スクリーンでなくとも名画を公開スケジュールで見れるし?安価なのだ。
レトロニムだろうが何だろうが、それでも俺は劇場に足を運びたい。
今回は!シング2の時間間違えて、思わずコチラを視聴。
でも!良かったよ。・゜・(ノД`)・゜・。
その?ネトフリ等で視聴姿勢?が変わった事の一つに、上映時間や作品の起承転結の組み立てが有ると思う。
本作は、順調にハナから引き込まれて、垂れる事無く、一気に終盤迄進む。
何年か前に?アカデミー賞が有色人種に配慮し始めて?身障者の方へも『過剰に』配慮し始めて・・
支那中共の監督が戴冠したり?韓国映画が作品賞獲ったり?
本作もそう。
そんなん無くても、コチラは秀逸だったのに、何だか?逆に斜に構えちゃうよね。
そこだけ、勿体なかった。
劇場に足を運んで欲しい度】☆⑤
主演のエミリアジョーンズちゃん、めっちゃ魅力的度】☆⑤
先生役、中々に嫌いぢゃ無い度】☆④
是非に、大劇場で見て欲しい!!!
みんなの「あい」が違っていて、それが面白い!
聾唖の苦悩と希望を描く傑作
特質すべき点は多々あるが、多くは語らない。
子を持つ父親である自分が、一番胸に響き、泣いてしまったシーンについて。
終盤。
歌の発表会で、主人公のルビーが、大勢の観客と聾唖の家族が見守る中、その歌声を披露するシーン。
歌い始め、その美声にうっとりした瞬間、突然、映画の全ての音がシャットダウンする。
耳が痛くなる程の静寂。
ルビーの美声に酔いしれる観客の映像とは裏腹に、不気味なほど不釣り合いな「沈黙」だ。
ここで映画を観ている我々は、ハッと思い知らされる。
そうだ、聾唖の家族の世界では、常にこの「沈黙の世界」なのだ。
結局我々映画の観客も、「分かったつもり」でこの作品を観ていなに過ぎない。
声も歌も音楽も聴こえていた前半は、聾唖者の気持ちなど分かりえなかったのである。
父親は娘の歌声に感動する人々の表情をじっと見る。
皆、娘の歌声に涙している。間接的にしか分からないその歌声に、父親の表情は暗い。
誰より娘を愛している筈の自分は、その声が聴こえないのだ。
その日の夜、父親はルビーに「自分の為に歌ってくれ」と言う。
そして歌うルビーの頬を、喉を指で触り、聴こえない娘の声を感じようとする。
最も愛する子供の声を聴けない絶望と悲しみを、まるで今初めて思い知ったかの様に。
聞こえる筈のない声を必死に聴こうとするその父親の気持ちに、自分は涙を禁じ得なかった。
映画「コーダ あいのうた」に感動した
映画「コーダ あいのうた」
心が動かされました。
子供が親から独立する「親離れ」というテーマだけでなく、
親が子供から独立する「子離れ」も描かれている。
聾唖者の両親と兄を持つ女子高校生が、家族で唯一の健常者であるため、
家族の漁師の仕事の手伝いと通訳として、身を捧げていた。
合唱団に入ったことで、高校の音楽の教師から、歌唱力を認められて
バークレー音楽大学への進学を推薦される。
しかし、家族のことを考えれば、進学できないと、諦める。
兄は、家族の犠牲にならず音楽大学を進めるが、
両親は、通訳として家にいてほしいと、反対する。
そんな時に、合唱団の発表会に、家族が参加することになる。
声は聞こえないが、そこで歌う子供の表情や、周りの表情を見て、
両親や兄も感動する。
音楽大学の受験の当日、両親と兄が本人を会場に連れて行く。
その会場で、声が聞こえない家族に、手話で歌う。
その姿に感動して、涙がでました。
子供が「親離れ」する姿と、親が「子離れ」する姿が重なりました。
さらに、自分の子供との「親離れ」「子離れ」とが重なり、
さらに涙がでました。
是非、見て欲しい映画です。
サイレント…これが現実
誰も悪くないストーリー
外野からみれば、マサチューセッツの漁村に生きる彼らの世界は美しいと思ってしまう。
それは外野だからで、実際の彼らは、魚の臭いをまとっていたり、生活もぎりぎりで、余裕なんてとてもない。リアルは生々しいはずだ。
この家族だって、外からみれば、ただ温かいだけのストーリー。でもリアルはもっと生々しく、愛だけでは割り切れない現実がある。家族を愛していても、家族が困るとわかっていても、自分の才能をのばして違う環境で羽ばたきたいって望みは抱いたっていいはず。そして家族はそれを手放しで応援してやりたいけれど、現実は手放しとは言えない。
演奏会で歌がきこえないからと手話で会話する両親。その後で、彼らの世界を体感させられることで、彼らの感覚にちょっとだけ近寄れる、あくまでちょっとだけ。
よくある優しいストーリー。ちょっと切なく、ちょっと温かい。
気持ちが通じ合うのに、言葉は関係ない
劇場公開時に大雪で見に行けなかったのと。
これ2015公開・仏映画「エール!」のリメイク(劇場で見た)なので。
うーんと思ってたら。オスカー受賞で拡大公開。これは見ようと。
主人公だけ健聴者なので、社会での対外的交渉(通釈)は全て自分。
だからいつも家族と一緒にいなきゃいけない、頼られてばかりって辛いよね。
そんな葛藤と並行して、音楽の先生・通称V先生が。
主人公の音楽の才能を、引き伸ばしていくシーンがとてもお気に入り。
たまごのからを外からコンコン突く、そんな感じ。
あと手話は解らずとも、表情や手の動きでなんとなく。
その感情が伝わる箇所も多かったのが、素晴らしい。
家族物・青春物。それを包む大きな愛を、見終わった後に感じたな。
ま、正直こじんまりした作品ですが。見て損はしません。
ラストシーンのサインマーク。意味を後で調べたら、ちょいほろり。
愛情あふれる聴覚障害の家族へ贈る、ルビーの歌に泣いたー!
思春期の女の子が家庭の事情で、夢を断念しようとするが、家族がその背中を押して、夢へ向かって歩き出す
…ここまでの話ならめずらしくはないが、この「家庭の事情」が、自分以外の家族全員が聴覚障害というところが全然違った
聴覚に障害を持ちながら、社会の中で生きていくことの厳しさ、困難さが作品の根底に流れる
が、暗さはない
ルビーの家族は明るく、たくましい
自分の家族が、奇異な目で差別的に見られることに、肩身の狭い気持ちだったルビー
でも、仲が良くてうらやましいという友達の言葉で気付く
障害の有無じゃない
本当の「家族」って、どれだけお互いを心から思いやり、大切にできるかなんだと…
自分の家族の素晴らしさに気付いたからこそ、ルビーは夢をあきらめて家族のために生きる決心をする
また、家族は、自分たちの生活に必要不可欠な存在であるにもかかわらず、ルビーの夢を応援する決心をする…
学校でのコンサートのシーンは秀逸だった
聴覚障害の人たちが生きる、音のない世界とはこんな感じなのか…と、衝撃的だった
そこで、家族は、聴衆の反応からルビーの歌の才能を信じる気持ちになる
どんなに、ルビーの歌を聞きたいことだろう
ルビーが家族のために自己犠牲的な人生を送ることなく、家族が自分たちの生活のためにルビーに依存し続けることもなく、お互いに自立を目指すラストシーンは気持ちよかった
ルビーのお兄ちゃんと音楽の先生もいい味出してました!
この二人のルビーに対する愛情も印象深かった
家族と彼女 愛と成長と旅立ち
May I talk about this move.
アカデミー賞 作品賞に納得
アカデミー賞の作品賞を含む3部門を受賞しただけあって、ものすごく良い映画でした!
家族の中で一人だけ耳が聴こえるという設定はちょっと重い雰囲気になるのではと思っていたら、全然そんなことはありません。
大半は手話での会話になるのですが、下ネタも含まれる過激な内容も多くてかなり軽い。
途中笑ってしまうシーンがいくつもありました(笑)
しかし演技力と構成が素晴らしく、聴覚障害に対しての辛さ、苦悩も解るようになっておりメッセージ性も非常に強い作品です。
それでいてストーリーは実に感動的で、最後は涙がこぼれました。
そしてなんといっても「歌」の魅力。
歌唱力も見所ではありますが、声を超えて、障害を超えて届けられるその力の凄さには胸が熱くなりました。
聴覚障害というものの健聴者へのメッセージや、歌の力の全てを体感する為には映画館での鑑賞がベストですが、もし家で鑑賞する場合はなるべく大きな画面で、なるべく高音響で。
少しでも作品の世界に没入できるようにして見たいものです☝️
「作品賞」に相応しい、納得の作品でした!
素直に感動しました‼︎
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