「「伝わらない」もどかしさ、苛立ち、諦め「伝わる」喜び、希望、温かさ、繋がり」コーダ あいのうた イズボペさんの映画レビュー(感想・評価)
「伝わらない」もどかしさ、苛立ち、諦め「伝わる」喜び、希望、温かさ、繋がり
いろんな考察や感想が頭のなかで渦巻いているんだけど、何を言ってもきれいごとになってしまう。私はルビーの葛藤を理解できても共感することはできない。ルビーは幼い頃から健聴の「CODA」として役割を担い、その役割を果たさないと親兄弟が家族として機能できない。
言い方は悪いが「親」を人質に取られているようなもんだ。親として機能してもらうには自分がいなくてはならない。
ルビーの両親だって、愛のない人たちではない。精いっぱいの努力で地域で子育てをしてきて、聴こえない分の情報の少なさもどうにか補って生きてきたたくましい人た ちだ。ただ、自分たちが知らない世界に娘を送り出すって誰だって怖いよね。
本作では「歌」を家族の役割再編成のツールとして効果的に使っている。
もうひとつの「coda」へと向かって。
最後にマイルズも言ってたけど、ルビーはもう実家に帰って来なくていいと思うんだ。両親と兄貴もルビーがいたから考えなかったことを考えるときが来たんだよ。いくら親子だからって誰かが犠牲を払って成り立つことはホントはちゃんと成り立ってない。だからルビーはルビーの人生を歩くべきなんだ。
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