「良作だがアカデミー賞受賞は正直疑問、肝心の「歌」に爆発力が無い」コーダ あいのうた 菊千代さんの映画レビュー(感想・評価)
良作だがアカデミー賞受賞は正直疑問、肝心の「歌」に爆発力が無い
クリックして本文を読む
フランス版「エール」のリメイク、トロイコッツァーはじめ俳優陣の演技、脚色は素晴らしい。
あらすじは特に書かないがこの作品のキモはなんと言っても主演エミリア・ジョーンズの歌唱力。耳の聴こえない家族の中、唯一聴こえる彼女の才能である“歌”で奇跡を起こすという話しは、まさに「スター誕生」のサクセスストーリーなのだが、肝心の「歌」に爆発力が無い、勿論下手な訳では無いし充分上手いのだが、「アリースター誕生」のレディーガガに及ばないのは仕方ないとしても、AGT(アメリカズ・ゴット・タレント)・BGTに出てくる素人の方がはるかに鳥肌立つほどの爆発的歌唱力を披露している。
歌のもつ力がどれほどのものなのかを表現してこその本作。コーラス部の合唱シーンもドラマ「グリー」の方が良いのでは無いかと思う。
映画作品なので、奇跡的サクセスストーリーを期待していると肩透かしかもしれない。
この年のアカデミー賞最多ノミネートは『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(Netflix作品)(その他「ドライブマイカー」もノミネート)
アカデミー賞作品賞の投票は、アカデミー会員の全員に権利があり、10本のノミネート作品からランクづけして投票するのだが、1位が一番少ない作品が却下され、それを1位にした人は2位が1位になるという繰り上げ方式で、結果的に最後に過半数をとった作品が受賞となる。つまり極端に賛否が分かれる作品は残りづらく「誰もが素直に感動できる」作品ということで、予想外の受賞となったとも言えるのかもしれない。
コメントする