劇場公開日 2022年1月21日

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「とにかく明るい家族が魅力的」コーダ あいのうた ユウコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5とにかく明るい家族が魅力的

2022年3月14日
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鑑賞方法:映画館

障害があってもやたら明るく、貧乏でも元気に生活してる家族がチャーミング。(聞こえないから生活が騒音だらけというのも目から鱗だった。そういうさりげない描写がユーモラスに積み重なって映画の魅力になっている)
とはいえ、ほかの人たちとコミュニケーションがとりにくいこと、貧しいことは解決しているわけではないのでちょっとした躓きでたちまち困ったことになる。トラブルが起きると、一人だけ健聴者のルビーにしわ寄せが来ていることが露わになる。(そもそも家業の手伝いで学校では居眠り、同級生からはいじめの対象で、本人も色々自信がもてないでいる)

聞こえる聞こえないで家族の間にも相容れないことがあり、どこまで理解し寄り添えるかは個人差があり、この家族の中では実は美人母が浮いてるが、家族愛ゆえ後半まで誰も真正面からぶつかることはない。(気持ちを母娘で吐露するシーン、家族の犠牲になるなと兄が感情をぶつけるシーンは、ぐっと来る)

特殊な家庭で育ったルビーが歌を通して自分を見つけていく過程もすばらしいが、なんといっても父親の内面から世界を見たシーンの素晴らしいこと。絶望的に理解できないはずなのに、それでも娘の味方であろうと歩み寄る姿。
それに応えるように試験会場で聞こえない家族にも自分の歌を届けるルビー。探していた自分を見つけたことに、見ている方も暖かい気持ちになる。

(家族の物語はどのシークエンスもステキだが、その分組合やら入試やらが安直に進んでるように思えるので、残念ながらそこはマイナスです)

ユウコ