「夢中は最強!結局どれだけ信じられるか」コーダ あいのうた とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
夢中は最強!結局どれだけ信じられるか
鳥肌立ったし、目頭熱くなったし、なにより感情的に満たされた。プロットの枠組みとしては英国の炭鉱モノはじめ結構よく見るジャンルの王道感動系ではある。田舎町から夢に向かって羽ばたく自己実現モノとしていわゆるサプライズというものはほとんどない。…のだけど、見事に作品としての核を損なうことなく、しっかりとハートウォーミング心温まるほっこりカミングオブエイジ青春モノとして最後は期待通りの答えを期待以上の形で与えてくれる。大きな一歩を踏み出す、そのさまに裏切られない。分かっていてもやっぱり心の中はガッツポーズが出ちゃうよう。ステキな家族の形と愛にほっこり♪一風変わったパパ最高!
それを可能にしているシアン・へダー監督の温かな眼差しと主演エミリア・ジョーンズの輝き、キャストの素晴らしい魅力に抗えない。既に似た経験をしてきた(?)『シング・ストリート』の主人公が意中の相手役。そりゃ歌上手い。『シング・ストリート』といったら本作のお兄ちゃんもいい。家族というかけがえのない存在に足を取られて、なかなか抜け出せないという葛藤・障壁。けどそれは間違っても犠牲の上に成り立つような、そういう後ろ向きなものとは決して違う。だからそこに愛がある、応援したい背中がある。見てる方も前向きな気持ちになれる!そうやって心鷲掴みにされてしまった。例えば『ベック』の残念すぎる(歌声聞かせない)逃げの演出とは根本的に違うそれ。
勝手に関連作『リトル・ダンサー』『シング・ストリート』『リトル・ミス・サンシャイン』『フィッシャーマンズ・ソング』
コメントする