「話は難しいけど一見の価値有り」デューン 砂の惑星 PART2 ラインハルトさんの映画レビュー(感想・評価)
話は難しいけど一見の価値有り
この映画は、近未来的な世界なのにエジプト古代文明のような岩をくり抜いたような場所で生活し、主人公や主人公の母親が言葉で他人を従わせるような超能力や未来を見る予知夢などを駆使し、砂の惑星に古くから伝わる〝予言〟を達成させる為に先住民族と共に行動していく、とても独特だが魅力的な世界。
この映画の良い面は、とにかく劇中での映像美。難しい世界観を理解出来なくても、映画の作り込みはとても評価が高いと思います。そして、この映画の最大の見せ場は、砂の惑星という特殊な環境で皇帝やハルコンネン家の軍勢と戦う為に、近代的な武器だけではなく〝サンドワーム〟という砂の惑星に住む巨大なミミズのような生物を利用し、戦いを挑む場面。特に劇中後半のサンドワームの群れが砂の惑星首都を襲うシーンは圧巻です。この描写を見るだけでもこの映画を見る価値有ります。
ただ、難点を言わせて頂くと、とにかく話が難しくて少し物語が駆け足気味(汗)
。まず劇中で登場する〝母親の体内で会話している胎児の妹〟。この胎児はどんな存在?何故胎児の状態で会話出来るの?次に、能力を覚醒させると言われる〝命の水〟なのですが、男性が飲むと死ぬと言われていたのに、何故ヒロインのチャニの涙をポールの口に入ると、瀕死の状態だったポールが回復したのか?あと、ポールの予知夢でチャニが死ぬシーンがあったのに、実際はラストまで生き残ったりとか、大勢の仲間が死ぬという予知夢も劇中ではそのような描写が無かったりとか。又、登場人物達がサンドワームを乗る描写はあったのですが、サンドワームから降りる描写は無かったので「どうやってあの巨大な生物から怪我せずに降りるのかな?」と不思議に感じたりなど、色々困惑した部分も多く、出来ればもう少し分かりやすくして欲しかった気もします(あえて、詳細な説明を省いてミステリアスな作りにしたのかな?)。
しかし、物語自体は二部作で上手くまとまっていると思います(少し駆け足気味ですが)ので、もし続編があるとしたらどのようなストーリーになるのか、とても期待したくなります。
この映画が気になっているけど、まだ1作目が未視聴だという方は、必ずレンタル等で予習したり考察動画を見て世界観をしっかり理解してから、今作を鑑賞されるようにして下さい。