「PART 1がイマイチだった人にも」デューン 砂の惑星 PART2 mvlvさんの映画レビュー(感想・評価)
PART 1がイマイチだった人にも
前作が序章であったのならば、今作は本編の開幕!
私自身は前作PART1もアーティスティックでとにかく美しく、景色を見てるだけでも時間が飛ぶように進み大満足の作品であったが、日本での評価はあまり良く無かったらしい。説明が一切ない作りだったので、DUNEという作品自体への関心が無ければ意味のわからない単語が多く、一般ウケは悪かったのも当然といえば当然かも知れない。
だが今作では新しい単語は出てこなかった気がするので前作を経ていれば内容の理解は容易であり、何より大人数での戦闘シーンや砂虫ライドのシーンは迫力が凄まじく、追加料金を払ってでもできるだけ大きなスクリーンで観て欲しい作品と言える。IMAX、関東、関西に住む人であればIMAXレーザーGTの設備がある映画館へ足を運ぶ事がこの映画を鑑賞するための最善策であることは間違いない。
レビューとしては以上
以下、内容に触れつつ個人的感想
映像、音響は完璧だったのだがそれだけでは今作を語った事にはならない。それ以外に何が日本での評価を上げているのか?
それは魅力的なヴィランが現れた事であると個人的には思った。
敵方、ハルコンネン家の指揮官といえば、パート1ではビビりの切れキャラ兄ラッバーンであったが正直なところ色々な面で役者不足は否めなかった。しかし今作ではDUNEのダースモールこと(私が勝手に思ってる)弟フェイド=ラウサがついに登場。サイコパス野郎と散々な言われようのラウサだが、何を隠そう実にサイコパスであるので仕方がない。彼にはその言葉がピッタリなのだ。ナイフの切れ味を確かめる為にそこに居た女官を刺し殺すし、成人祝いの決闘では死にかねない状況に陥ってより生き生きとした表情を見せるのだ。そして殺し方が兄に比べてスマートなのがまたいい。感情的にならず常に頭は冷静で冷淡。こうリーゼントとかにしたらめちゃくちゃにカッコよくなりそうな顔してるのに、髪型なんて気にし無くてもカッコいいが板に付いている。聞いたところによると、環境汚染のために物が白黒でしか見えないというのが故郷の地の状況らしいのだが、そのモノクロ映像がラウサの異常性と野生的な強者としての存在感をより一層際立たせており、大変に魅力的であった。
だが、このラウサ、本作終盤で主人公ポールとの決闘に健闘の末敗れ退場してしまった、残念。こんなところもダースモールに似せなくて良かったのに。というかダースモールのキャラ設定が模擬ラウサなのかも知れないが、そこの事情は知らない。
ということで、ハルコンネン家は今作で滅亡、多分。
次作もあるのだとすればパート2のラストで勃発した大領家連合との戦争が描かれることになるだろうと思われる。原作は読んでいないのでどの様な展開になるのか楽しみであるし、ラウサを超える魅力的な敵キャラが現れるのかにも注目したい。