「拡げた風呂敷は大きかったが、、、、」地球外少年少女 後編「はじまりの物語」 スキピオさんの映画レビュー(感想・評価)
拡げた風呂敷は大きかったが、、、、
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う〜ん、やっぱり、といった感じで、尻つぼみな終わり方でした。ポリコレ的にはこれで良いんでしょうが、元々が配信中心のアニメはこういう制約を受ける、って良い見本か、と。最後は、少女の手を離して、ゆりかごから旅立つべきでしょ?「僕にとっては宇宙がゆりかごで地球へ旅立ったんだ!」という驚天動地の言い訳には、ビックリでしたが、まあ、頑張って作ったんでしょう。
要は「機動戦士ガンダム・逆襲のシャア」をやりたかった、というのはよく伝わります。人類が革新を図り次のステージに進むためには、地球というゆりかごから出て、宇宙にでなければならない。そのためには地球に住む人を減らす必要がある。そのまんまシャアの主張です。うん、それは30数年前に富野由悠季が言っていたことだよね?で、30年たって新しい答えは?
というクリエイターとしては絶対に語るべき部分がすっかり腰砕けになって、最後は安っぽいヒューマニズムドラマに落ち着いてしまった。「人間と人類を同レベルで救うことはできない」「因果律だけでは物事の本質は理解できない」「人類が発展するためには己れを律する神が必要」とか、言いたいことは分かるが、それを全部セリフで説明するって、映像を作るクリエイターとして、どうよ?
SF要素はすっかり無くなっています。衛生軌道上で4Gの加速をすれば、重力圏からすっかり離れて宇宙を漂うことになると思いますが、、、。バッサリと断じてしまえば、ノリで着想したアイデアは良かったが、拡げた風呂敷が閉じきれなかった、って感じ。
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