「【余りに美しき故の、少年のその後の哀しくも切ないジェットコースター人生を描いたドキュメンタリー作品。】」世界で一番美しい少年 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【余りに美しき故の、少年のその後の哀しくも切ないジェットコースター人生を描いたドキュメンタリー作品。】
- ルキノ・ヴィスコンティ監督が、「ベニスに死す」で、主人公の老作曲家が恋する美少年タジオを演じる少年のキャスティングで、ビョルン・アンドレセンを見付けた時の反応。
様々なポーズを取らせ、果ては衣服も脱がせるシーンが強烈である。
診る側はビョルンの15歳とは思えぬ色気、流し目にヤラレルのであるが、彼はこれをきっかけに栄光と苦悩の50年を過ごすことになるのである。
今作は往時の記録映像(日本での映像は、本当に日本人として、恥ずかしい・・。)を交えつつ現在のビョルンと関係者の回顧で描き出したドキュメンタリー作品である。-
◆感想
・芸術家の母親の自死。
- 父親の名を明かさないまま自死する辺りが、ビョルンのその後の人格に与えている気がする。ー
・いきなり大人の好奇心溢れる有象無象が蠢く世界に放り出された少年の戸惑いは想像もつかない。本来であれば、彼を庇護すべきお婆さんも世間同様に舞い上がり、「ベニスに死す」で端役を貰い喜ぶ姿。
- だが、最後半、彼の娘さんがモノローグで語っているように、彼はキチンとした大人から庇護されるべきであったのだ。-
・家庭を持ち、2人の子に恵まれ、これから幸せな人生を・・、と思っていた矢先に起きた悲劇。
- 彼の人生は、激しいジェットコースターのようである。-
・後年、「ミッド・サマー」で見た老人が、パンフを見たら、ビョルン・アンドレセンであると知った時は衝撃だったが、お元気な事を知り、嬉しくも思ったモノである。
<”世界一の美少年””に祭り上げられた少年の波乱万丈の人生を描いた哀しきドキュメンタリー作品。
現在の長身痩躯の彼(年齢を重ねても美しい・・。)が長女と久しぶりに逢い、昔の写真を見て笑い合い、抱き合う姿は、染みたなあ・・。>
おはようございます。
幼い頃から、母親に棄てられたみたいになって、大人になって、結婚して子供が出来て家庭に恵まれたと思ったら、子供が亡くなるなんて考えたら正常じゃいられない気がしますよね。
でも、確かに、長女は救いですよね。