「〜世界が銀河が、佐賀に嫉妬する日10.24〜」ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス 田舎の破壊者QuarterBoiledさんの映画レビュー(感想・評価)
〜世界が銀河が、佐賀に嫉妬する日10.24〜
タイトルに惹かれたなら、君も観てみなよ!
10月24日は、佐賀が世界に嫉妬された日
10月24日は、フランシュシュが世界的にも伝説となった日
10月24日は、山田たえが令和において再び、伝説と化した記念日…
俺も佐賀に嫉妬している。そして佐賀を愛している。そして一昨日佐賀に行ってきた。。。なんて戯言はさておき、公開初日に地元にて計5回鑑賞した。今期いや生涯において傑作、名作だったと言っても過言ではない。それに応えうる。劇場で同じ映画を1日に5回も観たのは初。(現在までに17回鑑賞中、御当地佐賀でも鑑賞、応援上映含む。4DXも観てきた。)
物語はゾンビランドサガという、4年前まで放送されてたTVアニメシリーズの劇場版である。不幸にも佐賀県で若くして命を落とした少女、いや女性達7人が、アイドルプロデューサーを名乗る謎の男、巽幸太郎によってゾンビとして蘇り、「佐賀を救うためにアイドルをやれ!」の大号令の下、初めは無茶振りばかりながら徐々にアイドルとしての地盤を築きながら、佐賀を盛り上げていく…という物語。
佐賀の名所や名産が物語の中で逐一取り上げられ、聖地巡礼をすればその再現度に驚くばかりという、佐賀愛に満ち溢れたアニメである。翔んで埼玉のようなネガティブな紹介ではなく、どこまでもポジティブに佐賀を紹介している。そこが秀逸。
特筆すべきは、この作品には漫画や小説等の「原作」が存在しない。TVシリーズの裏側を描いた漫画や、フランシュシュ0号山田たえの生前の姿を描いた外伝「ゾンビランドサガ外伝 ザ・ファーストゾンビィ1〜4」があるのみである。
断っておくが、物語としてはTVアニメシリーズのその後の時間軸。しかし内容としては究極の「ゾンビランドサガ入門編」であるので、TVアニメを知らない方でもゾンビランドサガの魅力を残しながら、映画という形で初見でも楽しめる内容。
従って一部ゾンビィの方より、完結編や総集編のような内容を期待したいたのに違う、ギャグが緩い、などと言うというレビューもわずかながら見られるが、それは当然。そもそもこの映画への向き合い方を単に間違えただけであって、御愁傷様というばかりである。
映画化発表されてからの様々な予告動画や溢れんばかりのプロモーションを見れば、これでこのゾンビランドサガという作品を終わらせる気は毛頭ないと分かる。
前振りが長くなったが、アイドルアニメ、SFアニメ、アクションアニメ、ミュージックアニメ、コメディアニメ、、、どれも正解で、どれも最適解ではない。“ゾンビランドサガ”というカテゴリーである。そう、ゾンビランドサガはやっぱり、ゾンビランドサガだったのだ。
笑いあり、おふざけあり、パロディあり、ヒューマンあり(故に泣きあり)。色んな味が楽しめる。特に回数重ねるほど涙が出やすくなる、イカゲソのような味わい。佐賀にまつわる名物が重要な鍵となっていたり、TVシリーズ本編ほどではないが、佐賀に住んでいる方ならうんうんという場所や物がたくさん出てくる。
主人公、フランシュシュは、素人3人、芸能のプロ3人、素性不明1人(今回映画で少し明らかになる)で構成されているが、各々がそれぞれの特徴によって、ピンチの時に存在感を発揮する。誰も誰の代わりを担えない。7人揃って初めてフランシュシュなのである。
究極は劇中の主人公、フランシュシュが本職のLIVEで見せる数々の名曲とパフォーマンスである。
フランシュシュの歌は、とても特殊。普通のアイドルの歌ではない。歌詞が、アイドルのカテゴリーで歌われるような希望に満ち溢れたものではない。生と死への想いをこんなにも生々しく表現した歌は普通のアイドルには歌えない。
アイドルのような、キラキラした存在の方々が歌うには普通は不適切な歌なのである。だがそれは彼女達が(視聴者は知っているが劇中の一部キャラを除くフランシュシュのファンや関係者の多くは知らない)既に死んで蘇ったゾンビだからこそ、なせる技。
今回の映画でも、数々の名曲が生まれたが、純粋に楽曲を楽しめるのもゾンビランドサガの最大の魅力。時に歌謡曲、時にハードロック、時にラップ、時にデス・メタル?…etc. ちなみに、TVシリーズのサウンドトラックがアメリカで賞を受賞したこともあるそうだ。
永遠に歳を取らない、成長もしない。怪我もしない、そもそも死なない。それがどういうことか。幸せなことなのか、悲しいことなのか。ゾンビランドサガを鑑賞していると常々その想いが絶えない。
フランシュシュは、佐賀という地に常に、繁栄しようとすると災いが訪れ、佐賀の人々を苦しめる状況の中で、それらの災難に立ち向かう、という構図なのである。
まとまってないが、ここでネタバレする気はない。気になるなら百聞は一見に如かず。見もしないであーだこーだ述べるのは作品に失礼。刮目せよ!
勿論、ゾンビィ(ゾンビランドサガファン)とっても、ゾンビランドサガを久しぶりに楽しめる作品。評価は星5つ?違う、星1,000個だ!ゾンビランドサガの、佐賀の、ゾンビィ達の、フランシュシュの未来は明るい!とにかく今年1番、心震えた映画である。ゾンビィにとって、祭りの第1章の幕開けだ!
とりあえず地元では12月11日まで放映するので最終日まで楽しんでこようと思う。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
