「伝えすぎず、観客に任せすぎずのバランスが秀逸」なぎさ ひでぼーさんの映画レビュー(感想・評価)
伝えすぎず、観客に任せすぎずのバランスが秀逸
アート作品や、監督の自己満作品があまり自分には響かないのだが、とても興味深く、面白かった。
監督いわく、言葉でなく映像で表現したかったということで、言葉ですべて表現するのが小説ならば、映像と音声ですべて表現しているのがこの映画だった。
セリフは少ないし、表情も少ないのだが、決して分かりにくいということはない。
時系列、関係性などは映像から理解できるし、アート作品のように現実離れした比喩のようなものもあまりないので、すべて観客の想像に任せるだけでない、絶妙なバランスでとてもよかった。
音声に関しても、カメラの動き、役者のが動き少ない分、集中することができ、なんともいえない雰囲気を助長し、作品へ没頭させてくれる。
自分で考えながら見るので頭は使うのだが、わかりやすい映画へのアンチテーゼとともに、映画の醍醐味と可能性も感じられた。
次回作に期待。
2023年劇場鑑賞71本目
コメントする