ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価
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ブラッドリー・クーパーの最期
野望を抱えた主人公
ふらりと立ち寄った見せ物小屋で聞いた獣人(ギーク)の真実
そしてそのギークと成り下がる転落人生
秀逸な伏線回収
最期、全てを理解した主人公
この結末を観るための2時間半だったかと思うと余韻が凄い
堕ちゆく運命…
父親を殺し、暗い過去を捨てて飛び込んだサーカス一座で読心術を身に着け、周囲に止められた詐欺まがいの霊感ショーで金を稼ぐことを覚えてしまった男。人生の絶頂期から転落していくさまをブラッドリー・クーパーが好演している。嘘は結局はバレる。氷のような視線を送るケイト・ブランシェットが怖い。ギレルモ・デル・トロ監督の美しく、どこか不気味な映像、演出が良かった。
獣人の正体、これへぇーって話ですよね
おすすめを聞かれて出てくる映画ではないけど、観たら面白いってなる作品。
全体的に暗いし、ちょっと難しい感じがするけど、ラストには「おおお!」と唸ってしまう。
鮮やかな伏線回収でした。
映画のキーワードとしては、カーニバル、読心術、獣人。
主人公がここまで転落する映画ってなかなかないんじゃないかな。
しかも、自業自得で。
クズだからしょうがないけど、ラストの笑顔には同情してしまうのが人の常。
主人公は読心術だけじゃなく、自分の未来まで予知できてしまったというわけですよね。
というわけで、皆さんまたお会いしましょう。
ばいばーい。
天職です
こわー終盤にかけてはこれ一択。何となく途中、いや最初の獣人の詳しい作り方を語っている所から薄々は感じていたのよねー。ただ、途中のゆるゆるとした所から急転直下に結末に進んだので唖然茫然、心理士は結局なんなのさーだった。話の半ばまではまだ良かったが段々と盛り下がりこんな感じ。ケイトブランシェットどんな役でも美人だけど怖いな
「仏つくって魂入れず」の空疎さ
デル・トロ作品はいくつも観ているのだが、深い印象を受けた試しがない。
映像はかなり凝っているし、ストーリーもよく出来ているし、キャラクターも明確だが、何故か印象が薄い。アカデミー賞を獲るなど、この監督への評価が高い理由がわからない。
本作もレトロ、ノスタルジックなセットと色彩と、昔あった見世物小屋の中の昔風のストーリーで、一応形だけはよく出来ている。
「蛇女」「可哀そうなのはこの子でござい」などと、異形の生物に見せかけた人間のトリックを連想させる「獣人」が出てくるが、小生はこの「獣人」が逃げ出した時点で、作品の結末が読めてしまったw
その後も、ケイト・ブランシェットの心理学者はよく出来ていたが、肝心の主人公の人物造形が浅薄なため、心理を読み合う2人の戦いとしては淡泊すぎてつまらない。
その後の顛末も、意外性はなく、最後は予想通りに落ち着く。
何と言うか、「仏つくって魂入れず」の空疎さなのが残念だ。
I was born for it
もう何から何まで豪華な映像で描かれた
グロテスクで美しい、ある男の数奇な人生。
大きく分ければ3部構成で、
第1幕では特に美術の作り込みと美しさに目を奪われてしまった。
栄華を極めるほど深みにはまっていく第2幕を経て
そんでクライマックスを迎える第3幕。
焚き火を囲んで腕時計を差し出すところの哀しい美しさからの
狂気的な「I was born for it.」。
ここはほんとラストシーンとして歴代最高だったかもしれない。
あーそうなるよねー
結末が秀逸。配役が素晴らしい。そこそこな人数の主要登場人物がいるのに、全員クセが強いゆえかごっちゃにならないし、コイツ必要?みたいな人もいない。もちろんギジェルモ・デル・トロですのでそんな基本的なことは息をするごとくできるのです。でもそれゆえ、彼本来のファンタジー感を期待しちゃったので、普通のサイコスリラーでちょっと肩透かし。もちろんとてもおもしろかったんだけど。
伝わりづらいのかなぁ
全体的に面白いと思いながら観てはいたのだけど、私にはわかりづらかったのがスタンが父親に抱く憎しみのエネルギーの大きさです
途中でスタンが父に関する話をしていたけれど、疎遠で済む程度に片付けてしまったので、最後のあたりでちょっと鳩が豆鉄砲な気持ちになった
ナイトメア・アリー よかった。楽しかった。 読心術だか透視のパフォ...
ナイトメア・アリー
よかった。楽しかった。
読心術だか透視のパフォーマンスでアシスタントの言葉が情報になってるトリックはどこで知ったか覚えてないが知ってた。
相手を観察して言い当てるところは、シャーロック・ホームズを思い出した。こういうの好き。もっと見たかった。
面白かった。ただ、展開は布石が丁寧で先が読みやすい。
ピートは主人公の未来の姿なんだろうなと思いながら見てた。
獣人に仕立て上げる方法を聞いたときは落ちぶれた先はこうかと予想がついた。
周りの人の度々の忠告もあるし、破滅へ向かうのがわかりやすい。
そこへケイトブランシェットが来ると怪しいと思ってみてしまう。裏切りに驚きがなかった。
いやそもそも驚かせる気はとくになかったのか。
全体的に私は驚きというかワクワクがもう少し欲しかった。
終盤にモリーが電流に耐えるパフォーマンスのトリックを話してて徐々に慣れさせたと。その日の限界がわかるって引き際を話すところが好きなシーン。徐々に慣れさせて耐えてただけなんだ!と一番驚いた。リアルキルア。(リアルじゃないか)
ピートがなんでああなっていたのか、彼の過去のことは出てこないけど主人公に起こったことと同じようなことがあったのだろう。
主人公のその後は描かれないけど、すでに見ているようなものでわかる。
霊視は危険なのか…。その考えはなかった。現実の霊媒師たちはどうなんだろう気になる。なんとなく本当だと信じてる。
作中で牧師とかと一緒だって言ってたけど、牧師やカウンセラーは前を向けるようになる手助けで、人の死に何も影響できないから亡くなった人と距離が自然と開く。
霊媒師は霊と交流できるから霊媒師を通して関係が身近なままで、亡くなった人にとらわれ続けるイメージを持った。
霊媒師がコントロールしているようで、依頼者は必死で制御できなくなると危険になるよう。
最後、ワルにも上には上がいる。
映画「サイド・エフェクト」でもあった、
精神科医に嵌められてヤバい奴に仕立て上げられたら怖い。必死に訴えれば訴えるほど空回るやつ。
他に似てるものでアル中の妻が自分に問題があると夫に信じ込まされる映画もあった。
ローゼンハン実験というのがあるらしい。興味深い。色々な映画を思い出す。
デル・トロの撮る映画に求めるもの
それが今回この作品を鑑賞して強く感じた部分
冒頭から意味深な火事のシーン。何やら意味ありげな大きな塊を家の床をくり抜いてできた大穴に落とし、火を放つ男。
その男が主人公のスタン。夜行便のバスに乗り終点で降り立つとそこには見世物小屋。
引き込まれるように中に入ると、事実と虚構の狭間をいくような出し物がいっぱい。
その中の、獣人(ギーク)という出し物を見物する。鶏の首にかみつき遂には食いちぎるギーク…。
仕事のないスタンは、その見世物小屋で小さな仕事を手伝ったことで一緒に働かないか?と誘われ、そのまま見世物小屋で雑用として働き始める。
時折出てくる戦争の話をもとに推測すると時代は1940年台前後。こういった人権だとか何だとかがまだまだ未熟だった時代で、いろんな背景を背負った人たちが見世物小屋で働いている。その中でスタンは読心術のプロ、ピーターと出会い、彼の鮮やかな手口に惚れ込み弟子入りを志願する。
序盤は見世物小屋の人たちとの穏やかな日々のシーン。時折キツめの映像演出は出てくるものの、静かに物語は進んでいく。そこから、師匠のピーターの死、そして見世物小屋を違法なものとして閉鎖させようとする保安官に、ピーターから学んだ読心術を駆使して閉鎖を回避するあたりから、スタンの自我が目覚めていく。
そこから物語は舞台を都会に移していく。
本作はその序盤から中盤、終盤にかけていくつかの大きな場面転換が行われていくのだけど、物語としてしっかりバトンを受け渡しながら話が進んでエンディングまでのスタンの人生を描いていく。
物語としては破綻もなく、また終わった後に余韻の残るような演出で、画的な綺麗さとかではなく、綺麗に収束していく。
でもね。
デル・トロの映画でまず強烈に思い出されるのは、パンズ・ラビリンス。あの強烈なヴィジュアルと主人公の少女の無垢さ、それに対する現実の残酷さ。ヘルボーイに見る、自分が大好きなものを撮るんだという変質的なまでの執着ぶり。
で、私も大好きなパシフィック・リムの大予算使ってロボット動かしたろ!なオタクムーブ丸出しの大娯楽作を作る、ある種幼稚な拘りぶり。
これがデル・トロの魅力だーってずっと思ってた。なので、シェイプ・オブ・ウォーターの時におや、とは思いつつも、その異形のハンギョくんとの恋愛というデル・トロ文律反則ギリギリの作品だったから、ほーこんなのも撮るのね、と驚いた。
で、今回。映画としてはちょっと説明不足と言うか、2時間半もある割に回収しきれない部分がありつつも、佳作には出来上がっている。と、思う。
だけど、このテーマなら別にデル・トロである必要はない、申し訳ないけど。それなら、むしろ全編見世物小屋パートでやった方が彼っぽい。そんな風に思った。
デフォーさんとかデル・トロ組お馴染みのパールマンさんとか、もっと活かしてー。
デル・トロどうしたんじゃい!という意味を込めて星3.5から-1.0とした。
グロテスクショー・マン
ウィリアム・リンゼイ・グリシャムの同名小説を原作としたB級スリラー『悪魔の行く街』のリメイク作品だそうだ。(ドメバイで母親を死に追いやった?)父親殺しの過去がある主人公スタンを演じるのは、メンヘラ演技には定評のあるブラッドリー・クーパー。今回は“被り物”なしの人間中心ドラマということでデル・トロらしくない作品なのだが、前半舞台になっているカーニバル一座には見世物になっている“獣人”なんかもいて、それなりの怪奇色は保たれている。
そのカーニバルの出し物の一つ“読心術”をピート&ジーナ(トニ・コレット)夫妻から学んだスタンは、電流ショーをしていた若い女モリー(ルーニー・マーラ)と組んで、金持ち相手のショーを企画しこれが大当り。そこで知り合った精神内科医リリス(ケイト・ブランシェット)から大富豪の患者を紹介してもらい、さらなる成功を目指すスタン。が、インチキがすっかりバレてしまい、大富豪をその手で殺めてしまうのだ。
ミイラ取りがミイラになる結末は想定内の範囲なのだが、ケイト演じるリリスならびに大富豪の死んだ妻ドリーの傷について、少し触れておかなければならないだろう。“若い女を傷つける性癖”があった大富豪は、元妻ドリーのみならず若きリリスにも手を出していたのではないだろうか。リリスの胸の傷跡はその証拠ともいえるだろう。ゆえにリリスは(お金のためではなく)復讐のため精神分析技術を使ってスタンを大富豪殺害へと導いたのではないだろうか。
某評論家の方がホルマリン漬けの“男の子”エノクは元妻ドリーのお腹の中で死んだ赤ん坊であると指摘していたが、エンドクレジットで意味深に映し出されていたエノクは、その千里眼によって人の未来や過去を見透せる能力の持主。いわば読心術を駆使するスタンの分身といってもいいだろう。つまり、父の暴力によって命を落とした赤子の霊が、カーニバルの座員やリリスを使って、そのリベンジを同じような境遇の男にはたさせた、スピリチュアルスリラーとしても読み取れるのである。
「映画では、この男が残酷な父親に潰されたことにしました。僕の意見だけれど、人間は子どもの頃に潰されてしまうものだと思うんです。そして生きていくためには、うまく物語を作ったり、人の心を読んだりしないといけません。ちょうど、「金継ぎ」のように。割れてしまったものを継がないと、壊れたままになってしまうからです。」とインタビューにこたえていたデル・トロ。エノクの割れた頭部に施されていた縫合跡は、最早修復不可能なほどにまで壊れてしまった親子関係のメタファーだったのかもしれない。
ある意味試されますね。
セットや美術や衣装が素晴らしくて世界観が完璧に出来上がっていて その中でミイラ取りがミイラになるのを不思議なテンポでみせていくんですが
この作品こそよく見る映画の感想で自分が不思議に思う事の答えが出るような主人公の話なのです。
よくある感想で主人公に感情移入出来ないクズだから面白く無いとか主人公がやった償いで自業自得だから面白く無いって言う人がよく居るので この作品は完璧にまんま主人公がクズで自業自得で見せ物小屋で働くやつが最後に自ら見せ物になる末路なので同情の予知が無いしザマァとしか思えないから面白く無いって結論になるはずなので低評価だらけなんだと思ったら案外好評みたいなので逆にビックリです! 主役がクズだけど面白いと判断してるパターンと絶対に許せないってパターンの違いが自分には全く理解できなくて人の意見て本当に色々勉強になります(笑)
最後にケイトブランシェットが相変わらず存在感あり過ぎてラスボス感600%で最高でした!
ラストはスッキリ!
ラストはスッキリしましたが、答え合わせが当たったという意味でのスッキリであって、テスト返してもらったら満点だったという意味です。
面白かったか、つまらなかったかといえばつまらない映画でした。
つまらないと感じた理由は以下の通りです。
・総じてムナクソ注意なストーリー展開
・冒頭の始末、多分、死体を床下に安置し家ごと火葬。その経緯が分からない。ストーリーが進むにつれて、そこに至る(であろう)シーンが度々差し込まれますが、そこでは説明不足。
・シナリオがキチキチ、細かく作られているのは分かりやすいのだが、やり過ぎで3手先、5先どころか30分も経たないところでなんとなく「ナイトメア」の意味が分かってしまう。逆に言えば「裏切らない」。しかし、冒頭分のモヤモヤは残るんだよなあ。。。
・読心術での詐欺関係(本作の山場へ向かうところ)が軽い。よくある作り。
・映像、音響が「シェイプ・オブ・ウォーター」。確かに同じデル・トロさんなんですけど・・・。まあ、臭いが感じられる映像表現は見事だと思います。
・シェイプ・オブ・ウォーターといえば、全く意味不明どころかいらない描写がありましたが、本作でも似たようなシーンが。デル・トロさんの趣味かなにか?ぶっちゃけ気持ち悪いし気分悪い。必要性がまったくない。いや、風呂入りに行った時、嫌な予感はしました。裏切りませんでした。風呂でナニする癖でもあるんでしょうか?
いろいろと中途半端なんですよねえ・・・。デル・トロさん、怪獣映画だけ頑張ればよろしいのではないでしょうか。
マーラーちゃんやっぱりええわ
ワタシはなりすまし無理です。
しかもどう考えても堅気やない奴を前にして
騙せ、言われても無理です。
ブランシェット美魔女風発揮
ウイレムデフォーいつみても嫌らしさ満開で素晴らしいです。
60点
0
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因果応報
ギークを見たとき、最後は誰かがコレになるのかな、、、と、咄嗟に思いました。
見せ物小屋は、私が子どもの頃のお祭りなどでもありました。ここまで乱暴で、非人間的な扱いは、もちろんされていなかったと思いますが。白装束の傷痍軍人の方が、物乞いのような事も、、、
今は撮影の時も、倫理規定とかあるだろうから、鶏もまさか食いちぎられてはいないと思いつつも、私は目を伏せていました。
昔の映画で、夥しいウサギの死体が映されるエル・トポみたいなのは、もう作られる事は無いでしょう。でも、鳥インフルの事とか思うと、現実の方が怖かったり。
儚すぎる命。殴られて、ピストルで、車で、自らたち逝く人も。
埃っぽいクラッシックなトーンの中、主人公は悪夢の小路へと堕ちて行きます。それは、身近な人達を大切にしないから。かつて自分がそうされていたから?でも、サーカス小屋の人達は、粗野であっても互いを思い遣ってもいた。
ギークは、、、誰か1人は犠牲にならないとバランスは取れないのかな。「オメラスから歩み去る人々」のように。
ケイトやトニ・コレット、ルーニー・マーラーがあまりに美しく、魅力的に撮られています。
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