劇場公開日 2022年3月25日

ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価

全283件中、21~40件目を表示

5.0なかなか深すぎて難しく見応え十分な作品 謎の人物リリスの考察に駆られてしまう…

2024年3月12日
PCから投稿

興奮

難しい

1940年頃のアメリカでおきた出来事を描いた作品。
カーニバルと呼ばれている、遊園地や見世物小屋などを集めた場所が舞台。
 ※主人公であるスタンに、この物語の様々なものが仕掛けられている。
作品をさり気なく見ていて判る部分とわかりにくさも手伝って、何度か見たくなるような魅惑的なものに仕上がっていると思う。
視聴者は主人公と一緒になることで、主人公と同じように見落としてしまう箇所がいくつかあることも面白さなのかもしれない。
冒頭に主人公の秘密が垣間見える。死者を家ごと燃やすのだ。
たまたま立ち寄ったカーニバルで雇われると、すぐにその仕事に馴染み、読心術のピートと仲良くなる。
やがて彼がカーニバルから独立して始めたのが、顧客を富裕層に絞り込んだかつての読心術だったが、それが次第に降霊術へと変化する。
これは至極一般的で、スタンがのし上がっていく過程でもあり、同時に妻モリーとの間隙も生まれるが、モリーの心境の中心が主人公同様に読みにくい。スタンに対する苦悩なのか、思った生活ではないという感覚の… 望郷のようなものなのか…
読心術というカテゴリであれば、それはショーでありマジックだ。この範囲は人を傷つけるものではなく、あくまでショーを楽しみにする人を喜ばせる。
しかし降霊術になれば、嘘と同じになり、時に人を大きく傷つける結果となる。
このモリーの心境がスタンの行動を追いかけることで見えにくくなり、同時に登場したリリス博士の怪しさに、そんな些細なことはどうでも良くなってその先を見たくなるのだ。
リリスの囁きに同意したスタンは、大金持ちの秘密をリリスから頂き、詐欺の降霊術で人を騙す仕事を開始する。
このリリスによって、スタンの過去が少しだけ明らかになるが、リリス本人が一体何を目的としているのかつかめない。しかし視聴者の興味は大金持ちのエズラの要望をどうやって満足させるのかというスリリングな場面へと誘われる。
結果はスタンの思ったものではなく、殺人まで犯してすべてを妻の所為にしてリリスのもとに転がり込む。
リリスはもらったお金全部上げるから逃げろと言うが、お札はすべてすり替えられた1ドル札だった。リリスに撃たれ、リリスに反撃しようとするがすぐ警備員がやってくる。
スタンは列車に飛び乗って何とか逃げ切る。
どれだけ逃げていたのか、それは彼の髪と髭が教えているが、彼はとあるカーニバルで雇ってくれと申し出る。これが物語の「オチ」になる。タイトルの「ナイトメア・アリー」は、かっては獣人を作るためにアル中の狩りをする場所だったが、今それは彼自身の人生を現実化するものとなったのだ。

さて、リリス博士は一体何者だろう? ここが問題だ。
彼女の胸の傷とホルマリン漬けのエノクは、映像的に被る。2日間母を苦しめ殺したエノクは、人間の腹黒さの象徴なのだろうか?
彼女はお金が目的ではないとした。同時にスタンに渡したお金をすり替えている。これは彼女の目的が達成された、または彼を見限ったことだと思われる。それは何?
彼女の胸の傷は、何? 彼女のその後は描かれていない…
彼女はスタンと観客という立場の群像では? 騙すものは騙される。でもしっくりこない…
リリスのウィスキーを飲んだことが、すべての転換期だったことはわかった。
大きな胸の傷とそのトラウマを持つ心理学者という金持ち相手のカウンセラーは、スタンの読心術に興味を持った。彼女がまだできないことだったからだ。
やがてリリスはスタンを読心し、I’ll do love you という彼の母の言葉を口にする。このとき彼はリリスに捕まってしまったように感じた。
そしてそこにこそリリスの真の目的、彼の読心術だ。この技術の取得が彼女の真の目的?
なんとも考えさせられる作品だった。面白いし、映画ならではの映像美に惹き込まれた。
そしてずっとどこかで見たなと気になっていたのがモリー役の女優、ルーニー・マーラ。あのドラゴン・タトゥーの女の主人公だ。彼女はどんな作品でも輝いている。

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R41

4.5お酒は絶対に飲まない

2024年3月8日
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怖い

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しろくろぱんだ

2.0よく分からない

2024年3月5日
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鑑賞方法:VOD

難しい

デビッド・ストラザーンとメアリー・スティーンバージェンが観れたことが収穫かな。
ルーニー・マーラが可愛かったのと。
あと富豪役の人の声も良かった。
よく2時間半も観た。

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ねこ

3.0人間の本質について問う作品だが、一般受けするにはやや難しいかもしれない。

2024年2月25日
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知的

難しい

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あふろざむらい

2.5題名から

Kさん
2024年2月25日
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K

4.5デル・トロ監督の見せ物小屋的作品‼️

2024年2月24日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

楽しい

怖い

物語としては、野心に満ちた男の栄光と挫折と転落を描くフィルム・ノワール‼️でも監督はギレルモ・デル・トロ監督なんですよね‼️主人公が潜り込む "獣人" ギークを目玉とするカーニバルの、怪奇的なサーカス描写や、独立した主人公が読心術や霊媒師で稼ぐ設定に、ミステリー描写や霊的描写が加わって、いかにもデル・トロ監督らしい作風になってます‼️主人公のラストの転落も皮肉が効いてて戦慄‼️そしてケイト・ブランシェット‼️凄まじい演技力で魅せるその悪女ぶり‼️濃ゆすぎる赤の口紅がホントにホラー‼️

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活動写真愛好家

4.0ブラッドリー・クーパーの最期

2024年2月24日
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泣ける

悲しい

怖い

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とろり

3.0堕ちゆく運命…

2024年2月18日
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悲しい

怖い

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KEI

3.0獣人の正体、これへぇーって話ですよね

2024年2月17日
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鑑賞方法:VOD

おすすめを聞かれて出てくる映画ではないけど、観たら面白いってなる作品。
全体的に暗いし、ちょっと難しい感じがするけど、ラストには「おおお!」と唸ってしまう。
鮮やかな伏線回収でした。

映画のキーワードとしては、カーニバル、読心術、獣人。
主人公がここまで転落する映画ってなかなかないんじゃないかな。
しかも、自業自得で。
クズだからしょうがないけど、ラストの笑顔には同情してしまうのが人の常。

主人公は読心術だけじゃなく、自分の未来まで予知できてしまったというわけですよね。
というわけで、皆さんまたお会いしましょう。
ばいばーい。

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JBはただの映画好き。

3.0天職です

2024年2月13日
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GAB I

2.5「仏つくって魂入れず」の空疎さ

2024年2月12日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

デル・トロ作品はいくつも観ているのだが、深い印象を受けた試しがない。
映像はかなり凝っているし、ストーリーもよく出来ているし、キャラクターも明確だが、何故か印象が薄い。アカデミー賞を獲るなど、この監督への評価が高い理由がわからない。

本作もレトロ、ノスタルジックなセットと色彩と、昔あった見世物小屋の中の昔風のストーリーで、一応形だけはよく出来ている。
「蛇女」「可哀そうなのはこの子でござい」などと、異形の生物に見せかけた人間のトリックを連想させる「獣人」が出てくるが、小生はこの「獣人」が逃げ出した時点で、作品の結末が読めてしまったw

その後も、ケイト・ブランシェットの心理学者はよく出来ていたが、肝心の主人公の人物造形が浅薄なため、心理を読み合う2人の戦いとしては淡泊すぎてつまらない。
その後の顛末も、意外性はなく、最後は予想通りに落ち着く。

何と言うか、「仏つくって魂入れず」の空疎さなのが残念だ。

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徒然草枕

4.0伏線

2024年2月7日
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多くを望みすぎるのは良くないな~つらい

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うん

4.5I was born for it

2024年2月6日
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もう何から何まで豪華な映像で描かれた
グロテスクで美しい、ある男の数奇な人生。
大きく分ければ3部構成で、
第1幕では特に美術の作り込みと美しさに目を奪われてしまった。
栄華を極めるほど深みにはまっていく第2幕を経て
そんでクライマックスを迎える第3幕。
焚き火を囲んで腕時計を差し出すところの哀しい美しさからの
狂気的な「I was born for it.」。
ここはほんとラストシーンとして歴代最高だったかもしれない。

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mar

3.5あーそうなるよねー

2024年2月4日
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結末が秀逸。配役が素晴らしい。そこそこな人数の主要登場人物がいるのに、全員クセが強いゆえかごっちゃにならないし、コイツ必要?みたいな人もいない。もちろんギジェルモ・デル・トロですのでそんな基本的なことは息をするごとくできるのです。でもそれゆえ、彼本来のファンタジー感を期待しちゃったので、普通のサイコスリラーでちょっと肩透かし。もちろんとてもおもしろかったんだけど。

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柴犬泣太郎

4.0伝わりづらいのかなぁ

2024年2月3日
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怖い

難しい

全体的に面白いと思いながら観てはいたのだけど、私にはわかりづらかったのがスタンが父親に抱く憎しみのエネルギーの大きさです

途中でスタンが父に関する話をしていたけれど、疎遠で済む程度に片付けてしまったので、最後のあたりでちょっと鳩が豆鉄砲な気持ちになった

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映画鑑賞初級

4.0タイトルなし(ネタバレ)

2024年1月29日
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ティム2

2.5デル・トロの撮る映画に求めるもの

2024年1月28日
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悲しい

それが今回この作品を鑑賞して強く感じた部分

冒頭から意味深な火事のシーン。何やら意味ありげな大きな塊を家の床をくり抜いてできた大穴に落とし、火を放つ男。

その男が主人公のスタン。夜行便のバスに乗り終点で降り立つとそこには見世物小屋。
引き込まれるように中に入ると、事実と虚構の狭間をいくような出し物がいっぱい。
その中の、獣人(ギーク)という出し物を見物する。鶏の首にかみつき遂には食いちぎるギーク…。

仕事のないスタンは、その見世物小屋で小さな仕事を手伝ったことで一緒に働かないか?と誘われ、そのまま見世物小屋で雑用として働き始める。

時折出てくる戦争の話をもとに推測すると時代は1940年台前後。こういった人権だとか何だとかがまだまだ未熟だった時代で、いろんな背景を背負った人たちが見世物小屋で働いている。その中でスタンは読心術のプロ、ピーターと出会い、彼の鮮やかな手口に惚れ込み弟子入りを志願する。

序盤は見世物小屋の人たちとの穏やかな日々のシーン。時折キツめの映像演出は出てくるものの、静かに物語は進んでいく。そこから、師匠のピーターの死、そして見世物小屋を違法なものとして閉鎖させようとする保安官に、ピーターから学んだ読心術を駆使して閉鎖を回避するあたりから、スタンの自我が目覚めていく。

そこから物語は舞台を都会に移していく。

本作はその序盤から中盤、終盤にかけていくつかの大きな場面転換が行われていくのだけど、物語としてしっかりバトンを受け渡しながら話が進んでエンディングまでのスタンの人生を描いていく。

物語としては破綻もなく、また終わった後に余韻の残るような演出で、画的な綺麗さとかではなく、綺麗に収束していく。

でもね。

デル・トロの映画でまず強烈に思い出されるのは、パンズ・ラビリンス。あの強烈なヴィジュアルと主人公の少女の無垢さ、それに対する現実の残酷さ。ヘルボーイに見る、自分が大好きなものを撮るんだという変質的なまでの執着ぶり。
で、私も大好きなパシフィック・リムの大予算使ってロボット動かしたろ!なオタクムーブ丸出しの大娯楽作を作る、ある種幼稚な拘りぶり。

これがデル・トロの魅力だーってずっと思ってた。なので、シェイプ・オブ・ウォーターの時におや、とは思いつつも、その異形のハンギョくんとの恋愛というデル・トロ文律反則ギリギリの作品だったから、ほーこんなのも撮るのね、と驚いた。

で、今回。映画としてはちょっと説明不足と言うか、2時間半もある割に回収しきれない部分がありつつも、佳作には出来上がっている。と、思う。

だけど、このテーマなら別にデル・トロである必要はない、申し訳ないけど。それなら、むしろ全編見世物小屋パートでやった方が彼っぽい。そんな風に思った。
デフォーさんとかデル・トロ組お馴染みのパールマンさんとか、もっと活かしてー。

デル・トロどうしたんじゃい!という意味を込めて星3.5から-1.0とした。

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ハルクマール

2.0グロいの苦手な人は観ない方が良い

2024年1月25日
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始めの話の進み方好きだったけど、後半は怖いしグロいし好きにはなれない映画

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なる

3.0霊媒師とは

2024年1月23日
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楽しい

怖い

興奮

主人公(ブラッドリー・クーパー)はカーニバル一座で幽霊話を学び、女(ルーニー・マーラ)と大都会に行く。
インチキ話が大ウケするが、女性心理学者(ケイト・ブランシェット)が引っかかってくる。
巧みな話術の種明かしはとても面白く、みんなが引っかかるのも無理はないと説得力十分だ。
ダークなテイストもギレルモ・デル・トロ監督らしく、楽しませてもらった。

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いやよセブン

3.5グロテスクショー・マン

2024年1月21日
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ウィリアム・リンゼイ・グリシャムの同名小説を原作としたB級スリラー『悪魔の行く街』のリメイク作品だそうだ。(ドメバイで母親を死に追いやった?)父親殺しの過去がある主人公スタンを演じるのは、メンヘラ演技には定評のあるブラッドリー・クーパー。今回は“被り物”なしの人間中心ドラマということでデル・トロらしくない作品なのだが、前半舞台になっているカーニバル一座には見世物になっている“獣人”なんかもいて、それなりの怪奇色は保たれている。

そのカーニバルの出し物の一つ“読心術”をピート&ジーナ(トニ・コレット)夫妻から学んだスタンは、電流ショーをしていた若い女モリー(ルーニー・マーラ)と組んで、金持ち相手のショーを企画しこれが大当り。そこで知り合った精神内科医リリス(ケイト・ブランシェット)から大富豪の患者を紹介してもらい、さらなる成功を目指すスタン。が、インチキがすっかりバレてしまい、大富豪をその手で殺めてしまうのだ。

ミイラ取りがミイラになる結末は想定内の範囲なのだが、ケイト演じるリリスならびに大富豪の死んだ妻ドリーの傷について、少し触れておかなければならないだろう。“若い女を傷つける性癖”があった大富豪は、元妻ドリーのみならず若きリリスにも手を出していたのではないだろうか。リリスの胸の傷跡はその証拠ともいえるだろう。ゆえにリリスは(お金のためではなく)復讐のため精神分析技術を使ってスタンを大富豪殺害へと導いたのではないだろうか。

某評論家の方がホルマリン漬けの“男の子”エノクは元妻ドリーのお腹の中で死んだ赤ん坊であると指摘していたが、エンドクレジットで意味深に映し出されていたエノクは、その千里眼によって人の未来や過去を見透せる能力の持主。いわば読心術を駆使するスタンの分身といってもいいだろう。つまり、父の暴力によって命を落とした赤子の霊が、カーニバルの座員やリリスを使って、そのリベンジを同じような境遇の男にはたさせた、スピリチュアルスリラーとしても読み取れるのである。

「映画では、この男が残酷な父親に潰されたことにしました。僕の意見だけれど、人間は子どもの頃に潰されてしまうものだと思うんです。そして生きていくためには、うまく物語を作ったり、人の心を読んだりしないといけません。ちょうど、「金継ぎ」のように。割れてしまったものを継がないと、壊れたままになってしまうからです。」とインタビューにこたえていたデル・トロ。エノクの割れた頭部に施されていた縫合跡は、最早修復不可能なほどにまで壊れてしまった親子関係のメタファーだったのかもしれない。

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かなり悪いオヤジ